最新トレンドから見える、新たな時代のオフィスデザインとは？
リモートワークが普及した現在、オフィスは単なる作業場所ではなく、コミュニケーションや創造性を促す重要な役割を果たす存在となりました。このコラムでは、オフィスの意義を改めて考えながら、従業員にとって意味のある空間を作るためのオフィス戦略のポイントや、最新のデザイントレンド、さらに、低予算でおしゃれなオフィスを実現する方法や、オフィスデザイン会社の選び方のポイントまでご紹介します。
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目次
1. 企業経営にもつながるオフィスデザイン
質の高いオフィス環境は、従業員の生産性や創造性を促進します。また、魅力的なデザインにすることで、企業ブランドイメージの向上にもつながります。つまり、オフィスデザインは、単なる見た目や心地よさだけでなく、企業経営にもつながる重要な要素なのです。
1-2.オフィス戦略の考え方
より良いオフィスデザインを実現するためには、適切な戦略を立てることが必要です。このセクションでは、そんなオフィス戦略の考え方についてご紹介いたします。
1-2-1.目的を明確にする
オフィスデザインの最初のステップは、目的を明確にすることです。まずは、企業が目指す方向性に基づいて、どのようなオフィス空間を実現したいのかゴールを設定しましょう。例えば、イノベーションを創出するために職種の垣根を超えたコラボレーションを促したい、従業員の満足度を向上させるために、健康的に働ける環境を整備したい、などがあげられます。
1-2-2.現状の課題を把握する
効果的なオフィス戦略を立てるためには、現状の課題を把握することが不可欠です。そのためには、全社にアンケートを配信するなどして、従業員の意見やフィードバックを収集することも有効な手段です。
1-2-3.課題に対して解決策を考える
オフィスデザインの目的を明確にし、課題を把握したら、次は解決策を考える段階に進みます。例えば、コミュニケーションを促進するためにはカフェスペース、作業効率の向上のためには個室の作業スペースを設置するなど、具体的なアクションを計画します。
1-2-4.オフィスレイアウトの見直し
オフィスデザインの中でも重要な要素のひとつが、オフィスレイアウトです。従業員のニーズや業務の特性に合わせたレイアウト設計をしましょう。最近では、オフィス内で社員が自由に働く席を選択できるやアイデアの共有に役立つラウンジなどのの導入など、柔軟で多様なワークスペースへのニーズが高まっています。
1-2-5.オフィスの運用ルールを考える
オフィスはさまざまな人が集まって働く場所。そのような空間で気持ちよく過ごすためには、オフィスの運用ルールの策定も重要です。例えば、フリーアドレスの利用ルール、会議室の利用ルール、飲食エリアの設定など、トラブルなくスムーズに利用できる体制を整えましょう。
1-3.オフィス戦略で失敗しないためのポイント
オフィス戦略を成功させるためには、以下の2つのポイントを押さえましょう。
1-3-1. 従業員の働きやすさを重視した設計をする
オフィスは何よりも従業員のために作られた場所。従業員の満足度とパフォーマンスを向上させ、企業の成果につなげるためには、何よりも、「このオフィスなら働きやすい！」と思えるデザインにするという視点が不可欠です。
1-3-2 .コスト管理を行う
オフィスデザインにおいては、コスト管理も忘れてはいけないポイント。限られた予算の中で、目的（ゴール）を達成するためには、オフィスデザインの優先順位を明確にすることが重要です。優先順位に応じてコストダウンできるところ・できないところの線引きができれば、効果的なオフィス戦略を実行できます。
2.これからのオフィスのキーワードはコラボレーションと持続可能性
リモートワークが普及し、オフィスの役割は大きく変化しました。単なる作業場所から、コミュニケーションのや創造性を促し、企業の成長を支える重要な役割も持つようになりました。この変化に対応するべく、注目されているキーワードは「コラボレーション」と「持続可能性」です。
2-1. オフィス内のコラボレーションで創造性を高める
自然な会話が生まれやすいコミュニケーションスペースやミーティングルームの設置、共有作業スペースの提供などを通じて、従業員同士の交流を促し、アイデアの共有を活発化させましょう。
2-2. 地球環境に配慮したオフィスデザイン
地球環境問題への意識の高まりと共に、企業は環境負荷低減への取り組みが求められています。リサイクル素材（プラスチックの再利用など）を使った家具を導入する、太陽光などの自然エネルギーを使った電力を使うなど、地球環境の保護を意識した設備を選定しましょう。
3.最新のオフィスデザイントレンド
海外のオフィスには、上記のキーワードに沿ったデザイントレンドを取り入れた事例が多く見られます。以下に、実際のオフィス事例を紹介いたします。
3-1. 持続可能なワークプレイス
再生可能エネルギーの活用や廃棄物削減策など、地球環境への配慮がなされた、持続可能なワークプレイスが注目されています。
■事例: Prairie Architect
世界のCO2総排出量のうち、なんと約40%は建設・建築産業によるものと言われています。このカナダの建築設計事務所Prairie Architectsでは、古い倉庫をリノベーションしてオフィスにすることで、新たな建築物を建てることで発生するCO２を抑えています。また、内装においても既存の資材をリサイクルして使用するなど、環境への配慮を第一に考えられたオフィスづくりを実現しています。
Prairie Architects Office on Market Ave.
（引用：Prairie Architects）
3-2. ABW
ABW（Activity-Based Working）とは、従業員が業務内容に合わせて、社内外問わず自分の好きな場所で働けるワークスタイルのこと。例えば、資料作成に集中したいときは個室に移動し、同僚とディスカッションが必要なときは、みんなで集まれるスペースに移動するなど、用途に応じてオフィス内を自由に動き回れる環境は、今注目されているオフィスデザインのひとつです。
■事例：Tandem Diabetes
米国のヘルスケア企業Tandem Diabetesのオフィスでは、作業に集中できる個室ブースや、従業員同士でコミュニケーションできるスタンディングデスク、そしてソファなど、あらゆる形式の設備を取り入れ、柔軟な働き方を叶えるオフィスデザインにしています。
Tandem Diabetes Offices
（引用：OFFICE SNAPSHOTS）
ABWについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
ABWとは？フリーアドレスとの違いやメリット・デメリットをご紹介 | GOOD PLACE JOURNAL | GOOD PLACE
3-3.バイオフィリックデザイン
バイオフィリックデザインは、自然とのつながりを取り入れたオフィスデザインの手法です。自然光や植物など、自然の要素を取り入れることで、従業員の心と体の健康を向上させ、業務の生産性向上にもつながります。特に近年では、自然界の光を人工的に再現したサーカディアン照明への注目が集まっています。
サーカディアン照明についてはこちらの過去記事をご覧ください。
健康経営のために注目されるサーカディアン照明のオフィス活用 | GOOD PLACE JOURNAL | GOOD PLACE）
また、従業員のストレスを軽減するため、緑を取り入れた空間への重要性も高まっています。
■事例：WeWork
世界中でシェアオフィスやコワーキングスペースを提供しているWeWorkでは、オフィス照明の専門チームが在籍しており、人間の体内リズムに合った照明空間をデザインすることで、より快適に、よりクリエイティブに仕事ができる環境を提供しています。
The best office lighting for employee productivity
(引用元：WeWork)
3-4.ウェルビーイング
近年では、従業員の健康と幸福を考えたオフィス環境も重要な要素になっています。上記のバイオフィリックデザインに加えて、オフィスの中でヨガなどの軽い運動をするスペースや休息ができるスペースがあるのも、ウェルビーイングなオフィスと言えます。
■事例：Lego
デンマークのレゴのオフィスでは、「ピープルハウス」と呼ばれる空間があり、最先端のフィットネススタジオやヘルスクリニック、映画館など、従業員の心と体の健康につながる設備が導入されています。
A sustainable office complex that integrates work and play and accelerates innovation (LEGO Campus)
（引用元：TECTURE MAG）
3-5.コミュニケーション
コロナ禍を経てリモートワークが普及した現在、オフィスの存在意義として、従業員同士のコミュニケーションが最も重要視されています。オープンなカフェスペースや、創造性を刺激するような独創的なをつくることで、コミュニケーションを活性化させ、新たなコラボレーションにつなげることができます。
■事例：NOKIA
テクノロジー企業NOKIAのイスタンブールオフィスでは、階段状のベンチや、ユニークなデザインのラウンジチェアなど、個性的な家具を導入することで、クリエイティブな雰囲気を演出しています。シンプルなデスクと椅子だけの会議室ではなく、遊び心のあるデザインにすることで、従業員同士のコミュニケーションを活性化させ、新たなコラボレーションを生み出しやすい環境づくりを行なっています。
A Tour of Nokia’s New Istanbul Office
（引用元：Office Lovin）
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4.低予算でもオフィスを魅力的にする方法
オフィスデザインを魅力的にするためには高額な予算が必要なのでしょうか？実は、工夫次第で、低予算でも魅力的なオフィスを実現する方法があります。以下に具体的なアイデアを紹介します。
4-1.アート作品やインテリア小物を飾る
限られた予算でも、絵画や写真などのアート作品や、花瓶やオブジェなどのインテリア小物を飾ることでオフィスの雰囲気を一新させることができます。壁や棚などの空間を利用して、会社のイメージに合った飾り付けをしてみましょう。
4-2.グリーンインテリアを取り入れる
植物を取り入れることで、オフィスに自然な雰囲気を与えることができます。また、植物はオフィスの空気を清浄化し、リラックス効果ももたらします。気温差に強い観葉植物やサボテンなど、手入れが簡単な植物を選ぶと良いでしょう。
4-3.照明器具を変える
照明は予算をかけずに一気に空間の雰囲気を変えてくれるツールのひとつです。よりリラックスしてクリエイティブな発想を活性化させるには、暖色系で明るさを抑えると良いですし、ペンダントライトや間接照明を導入すると、空間のおしゃれ度もぐっと高まります。
4-4.フレキシビリティ
スペースが限られたオフィスでは、ひとつの空間であらゆる用途に対応できるデザインを意識すると、空間の利便性や魅力が向上します。例えば、食事から軽い打合せまでできるオープンスペースの設置や、スライディングウォールで壁の取り外しができる仕様にするなど、マルチパーパスな空間にするための工夫をしてみましょう。
以下に、当社で手がけた事例をご紹介いたします。
＜事例：株式会社JSOL様＞
カーテンで仕切ることができるフレキシブルなスペース、移動できる家具などで多目的な用途に対応できます。
＜事例：日経メディアマーケティング様＞
食事から軽い打合せまで対応できるオープンエリア、空間を仕切ることができるスライディングウォールなどを導入しています。
5.オフィスデザイン会社の選び方
最後に、オフィスデザイン会社を選ぶ際のポイントを紹介します。
5-1.実績を確認する
オフィスデザイン会社の実績や過去のプロジェクトを確認することで、その会社の能力やスタイルを把握することができます。
5-2.好きなデザインのテイスト事例をみる
まずはインターネットや書籍などでデザイン事例を確認し、希望するデザインのテイストを明確にすることが大切です。その上で、オフィス会社の過去事例を確認し、テイストと合っているかどうかを判断しましょう。
5-3.見積もりをとる
複数のオフィスデザイン会社から見積もりを取ることで、予算や提案内容を比較し適切な会社を選ぶことができます。
5-4.対応力を確認する
オフィスデザインプロジェクトは多くの要素を抱えるため、スムーズな対応力が求められます。オフィスデザイン会社のプロジェクトマネジメント力やコミュニケーション能力を確認することが重要です。
5-5.技術力・施工品質を確認する
オフィスデザイン会社の技術力や施工品質は、プロジェクトの成功に直結します。過去の実績や評判を参考にして、技術力や施工品質を確認しましょう。
まとめ
いかがでしたか？リモートワークが普及した現在、オフィスの意義を再定義し、従業員にとって意味のある空間を作り上げることが求められています。経営戦略との整合性を図りながら、環境への配慮も忘れずに取り入れ、従業員にとっても、社会にとっても有意義なオフィス空間を目指していきましょう。
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