オフィスレイアウトを考えるポイントとは?おしゃれにするコツを解説

オフィスレイアウトは、従業員の業務意欲や自社のイメージに影響する大切な要素です。オフィスレイアウトを変更する際には、さまざまなタイプの中から自社に合ったものを選ぶ必要があります。
本記事では、オフィスレイアウトをしっかりと考えるべき理由や、オフィスレイアウトの主なタイプについて解説します。オフィスレイアウトを考える際のポイントやおしゃれにしたい場合のコツについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
1. オフィスレイアウトをしっかりと考えるべき理由
オフィスレイアウトを計画する際には、その重要性を認識したうえで考える必要があります。オフィスレイアウトをしっかりと考えるべき理由は、主に下記のとおりです。
1-1. 従業員の生産性とモチベーションを左右するから
オフィスレイアウトは、従業員の生産性やモチベーションを左右するからこそ、しっかりと考える必要があります。デスクや作業スペースの配置が適切だと、業務効率がアップし、従業員のモチベーションも向上します。
反対に、動線が複雑だと、業務効率が低下する可能性があるほか、集中しにくい環境だとミスが増えたり、音によるストレスが溜まりやすくなったりするため注意が必要です。こうした事態を避けるためにも、オフィスレイアウトは業務内容や働き方に合わせた設計を行うことが重要です。
1-2. 来訪者に好印象を与えるために大切だから
来訪者に好印象を与える意味でも、オフィスレイアウトはしっかりと考えることが大切です。エントランスやロビーなどのレイアウトは、企業の第一印象を決める重要な要素です。
オフィスとしての機能性を維持しつつ、企業の理念やビジネスのコンセプトを効果的に伝えることで、取引先に好印象を与え、企業の信頼性やプロフェッショナルな姿勢を感じてもらえるでしょう。
2. オフィスレイアウトの主なタイプ
オフィスレイアウトは、デスクの配置の仕方によって複数のタイプに分かれます。ここでは、代表的なオフィスレイアウトの種類について解説します。オフィスレイアウトは、タイプをひとつに限定せず、業務内容、集中力の必要度などに合わせて、複数のタイプを組み合わせるのがおすすめです。それぞれのメリットとデメリットを理解し、自社に適したレイアウトを選択してください。

オフィスレイアウトの主な7つのタイプ。
2-1. アイランド型
アイランド型は、チーム単位で従業員の席を向かい合わせ、島のようなかたまりにするオフィスレイアウトです。チーム内の状況把握が容易で、情報共有が活発になります。
ただし、周囲の視線を感じたり、会話が耳に入ったりすることで、集中力が途切れてしまう人もいます。その場合は、デスクトップパネルを置いて視線を遮るような工夫をするなどして、適切な距離感を考慮することも必要です。
2-2. 並列型
並列型は、デスクが同じ方向に配置されたオフィスレイアウトで、コールセンターなどによく見られます。従業員はみんな同じ方向を向いて仕事をするため、対面のストレスを軽減できます。
一方で、従業員同士の共同作業がしにくくなる可能性があるため、業務内容が定型化していない職種には不向きといえるでしょう。
2-3. クロス型
クロス型は、デスクの向きが交差するように配置するオフィスレイアウトです。デスクがジグザグに配置されることでオフィスの動線の固定化を防ぎ、チーム内外のコミュニケーションを促進させる効果があります。情報共有を活発化したい場合には適した形です。
2-4. 背面対向型
背面対向型は、従業員同士が背を向ける形になるオフィスレイアウトです。このタイプは機密性があり、集中力を高めやすいメリットがあります。
一方で、従業員同士のコミュニケーションが減少しやすく、チーム間の連携を図るためには別の工夫が必要です。ほかのタイプに比べ、レイアウト効率が悪くなる場合もあります。
2-5. 左右対向型
左右対向型は、デスクがまっすぐ並び、列ごとで向きが反対になっているオフィスレイアウトです。列のあいだにはパーティションが設けられるため集中力を維持しやすくなる一方で、配線が複雑になりがちです。個々の作業効率を高めたい場合に適していますが、配線管理や動線設計には注意する必要があります。
2-6. ブース型
ブース型は、従業員がパーティションなどで仕切られたスペース内で作業するオフィスレイアウトです。プライバシーが確保されるため、集中する必要がある業務に適しています。
ただし、ブース内に閉じこもりがちになる点や、ほかの従業員が席にいるかどうかがわかりにくい点はデメリットといえるでしょう。
2-7. グリッド型
グリッド型は、作業スペースを格子状に区画し、デスクのかたまりをモジュールとして配置していくオフィスレイアウトです。複数のモジュールを用途に応じて変更できるため、業務に適したレイアウトをつくりやすい点がメリットといえます。
一方で、デスクの長く連ねることが難しく、チームが小さい単位で離れやすくなる点がデメリットです。
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3. オフィスレイアウトを変更する際に必要な計画とは?
オフィスレイアウトを変更する際には、計画を立て、適切に実行することが大切です。ここでは、オフィスレイアウト変更時に必要な、3つの計画について解説します。

オフィスレイアウト変更に必要な3つの計画。
3-1. 部門ごとの業務内容に応じたゾーニング計画
オフィスレイアウトを変更する際は、部門ごとの業務内容に応じたゾーニング計画を立てることが大切です。例えば、取引先とのやりとりが多い部署は、電話や来客の対応がしやすい場所に配置し、研究開発を行う部署は集中して作業ができる場所にするなど、部署の特性に合わせてエリアを分けることをおすすめします。そのほか、会議室エリア、休憩エリアも分けて設けるといいでしょう。
また、セキュリティ対策として、アクセス権限が限定されるエリアを設けることも重要です。
3-2. 効率を重視した動線計画
効率を重視した動線計画も、オフィスレイアウトを変更する際に不可欠です。効率を高め、生産性を向上させるには、オフィス動線は従業員や来訪者が転倒や衝突などの危険がないよう、スムーズに移動できる設計をしなくてはなりません。
一方で、近年は健康経営の観点から、回遊を促す動線設計も注目されています。利用頻度が高いコピー機や休憩場所をデスクから離すことで、座りすぎによる体調の悪化を防ぐといった効果が期待できます。
3-3. 快適性と安全性を重視した設計
オフィスレイアウトを変更する際には、快適性と安全性を重視して設計を行いましょう。デスク間の距離や通路幅は、従業員が無理なく通行でき、ケガの心配はないことが大切です。
特に、廊下には災害発生後の避難時に通行の妨げにならないよう、物を置いたままにはしないことが消防法で定められているため、注意してください。
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4. オフィスレイアウトで忘れてはならない災害対策
4-1. 火災への対策
火災への対策は、オフィスレイアウトを考える際に不可欠です。具体的には、火災時に消防隊が無理なく進入できるように動線を確保しておく必要があるほか、排煙窓や非常口付近にオフィス家具や障害物を置かないようにするなど、安全基準にもとづいたレイアウト設計が求められます。
さらに、消火器や防火設備の設置位置を明確にし、従業員にその場所を周知することも不可欠です。
4-2. 地震への対策
オフィスレイアウトを考える際は、地震への対策も欠かせません。収納庫やキャビネットは、地震時に倒れないよう、壁際に設置・固定することが必要です。
また、避難経路を物でふさがないようにし、通路を広く確保する工夫が求められます。床の素材は滑りにくいものにすることで、地震発生時の二次災害を防ぎやすくなるでしょう。
4-3. 水害への対策
水害のリスクがある地域のオフィスでは、ハザードマップを活用した水害対策が必要です。避難場所を事前に確認し、従業員全員に共有すれば、緊急時の混乱を防ぐことにつながります。
また、重要なデータや書類を、高い位置に保管するといった工夫も重要です。
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5. オフィスレイアウトを考える際に大切なポイント
オフィスレイアウトを計画する際には、いくつかの押させておきたいポイントがあります。主なポイントは下記のとおりです。

オフィスレイアウトで押さえておきたい3つのポイント
5-1. デスクの種類や配置を働き方に合わせる
オフィスレイアウトを考える際は、デスクの種類や配置を、業務内容やチームの働き方に合わせることが大切です。例えば、紙の資料などをよく使う働き方であれば袖机付きのデスクが個別に必要ですが、ノートパソコンだけで働ける場合は、大型のロングデスクを複数人で使えば問題ありません。
デスクの配置も、集中しやすいブース型、コミュニケーションをとりやすいフリーアドレスなど、働き方に合わせて考えるといいでしょう。フリーアドレスは、従業員が固定のデスクを持たず、作業する場所を自由に選べます。組織変更やチームの入れ替えが多い場合に柔軟に対応でき、従業員間の交流を促進できるといった点も特徴です。
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フリーアドレスとは?メリット・デメリットと導入のポイントも解説
5-2. パーソナルスペースを十分に確保する
快適な作業環境を提供するためには、従業員ごとにパーソナルスペースを確保することも重要です。狭すぎるスペースはストレスを招き、生産性の低下につながります。デスク間の距離や共有スペースの広さは、十分に考慮してください。
5-3. フレキシブルなレイアウトで多様な働き方に対応する
リモートワークやフレックスタイム制などが浸透する中で、オフィスレイアウトも柔軟性を持たせることが大切になっています。
フリーアドレスエリアやウェブ会議用ブースなどを設置し、多様な働き方に対応することが重要です。部門や従業員の業務形態に合わせた、働きやすいオフィスを目指しましょう。
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6. オフィスレイアウトをおしゃれにするコツ
オフィスレイアウトをおしゃれにするには、いくつかのコツがあります。ここでは、おしゃれなオフィスづくりに役立つ5つのコツをご紹介しますので、参考にしてください。

オフィスレイアウトをおしゃれにする5つのコツ
6-1. 企業イメージを表現するエントランスにする
オフィスレイアウトをおしゃれにするコツのひとつは、エントランスで企業イメージを表現することです。
エントランスは、企業の「顔」の役割を果たします。ロゴやブランドカラーを取り入れた、印象に残るデザインにしてください。
6-2. エリアごとに、用途に応じたレイアウトにする
オフィスをおしゃれにするには、各エリアで用途に適したレイアウトを採用することも大切です。
作業エリアには余計な物を置かず、休憩エリアはスペースに余裕を持たせるといった工夫をすることで、効率的で快適なオフィス環境になります。
6-3. インテリアのテーマを決める
インテリアのテーマを決めて家具や装飾品を選ぶことも、オフィスをおしゃれにするコツです。モダン、ナチュラル、インダストリアルなどのテーマを設けてカラーや素材を選ぶことで、おしゃれな空間を演出できます。インテリアのテーマは、企業理念やビジネスの方向性に合わせて設定するのが一般的です。
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6-4. 緑を取り入れる
適度に緑を取り入れると、オフィス空間をおしゃれなものにできます。観葉植物は、自然な雰囲気を演出し、リラックス効果を生み出します。
特に、デスク周りや休憩エリアに緑を取り入れると、オフィス全体を明るく、居心地の良い空間にすることが可能です。
6-5. 収納スペースを確保し、すっきりとしたワークスペースをつくる
オフィスをおしゃれにしたい場合は、収納スペースを確保し、ワークスペースはすっきりとさせることが重要です。収納スペースがあることで、デスク周辺が散らかりにくくなり、清潔感を保てます。すっきりとした空間は、従業員の集中力を高める効果も期待できるでしょう。
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7. 参考になるオフィスレイアウト例3選
続いては、オフィスレイアウト例を3つご紹介します。自社のオフィスレイアウトを考える際の参考にしてください。
7-1. 株式会社リクルートスタッフィング様

株式会社リクルートスタッフィング様のオフィスレイアウト例
人材サービスの株式会社リクルートスタッフィング様は、2024年に新オフィスに移転しました。オフィスづくりでは、色味を抑えた配色、整然とさせないデスク配置を行い、天井の内装にメッシュ材を採用して無骨さを表現。従来のオフィスのイメージを逸脱した、「オフィスらしくないオフィス」を実現しました。
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7-2. テレビ朝日映像株式会社様

テレビ朝日映像株式会社様のオフィスレイアウト例
テレビ映像制作会社のテレビ朝日映像株式会社様は、従業員同士のコミュニケーションを促す空間をつくるため、2023年にオフィスレイアウトを変更しました。撮影スタジオとしても利用できる会議室や複数の個室もつくり、少人数でも大人数でもさまざまな用途で使えるエリアを実現。打ち合わせから収録まで、チームワークが必要なあらゆる業務に対応できるオフィスになりました。
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7-3. 株式会社PKSHA Technology様

株式会社PKSHA Technology様のオフィスレイアウト例
ソフトウェアの開発を行う株式会社PKSHA Technology様は、社内コミュニケーションの活性化と多様な働き方への対応を目指し、オフィスをリニューアルしました。広々とした窓際のエリアから奥に進むにつれて床の高さを上げ、天井が低く集中しやすい執務スペースにつながっていくよう、動線を工夫。大人数でのコミュニケーションから単独業務まで、さまざまな働き方ができるオフィスをつくりました。
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8. オフィスレイアウトを工夫して、働きやすい環境をつくろう
オフィスは、多くの時間を過ごす場所です。働きやすいオフィスにすると、従業員の業務意欲を高められるだけでなく、企業イメージを向上させることも可能です。オフィスレイアウトにはさまざまなタイプがあるため、自社の事業や部門の特性に合ったレイアウトを選び、それらを組み合わせて、効率性と快適さを両立させることをおすすめします。
また、オフィスレイアウトをおしゃれなものにしたい場合は、コンセプトに沿ったデザインを採用したり、適度に緑を取り入れたりすると効果的です。オフィスレイアウトを工夫し、従業員が働きやすい空間をつくりましょう。
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