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床を活用してオフィスをイメージアップ!選び方や注意点を解説

オフィス全体の雰囲気や印象を左右する要素として、「床」が大きな役割を担っていることをご存じでしょうか?

床は素材や色、デザインなどによって与える印象が大きく変わります。企業イメージやブランディングにも寄与するオフィスの床選びはとても重要です。
そこで今回のコラムでは、オフィスの床の最適な選び方や注意点について解説します。

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1. オフィスの床を選定する際の3つのポイント

オフィス空間において大きな面積を占める床を選定するにあたって、はじめに考えたいのが「どのような会社・オフィスに見られたいか(なりたいか)」ということ。その方向性に合わせて目指す印象に応じた床材を選ぶことが大切です。

1-1. 素材

タイルカーペットや天然木なら温かみや落ち着き、タイルや石なら高級感など、選ぶ素材によって望む空間を演出できます。床の素材は、見た目の印象だけでなく光の反射や歩きやすさ、音の反響度合い、メンテナンスのしやすさなども左右します。

1-2. 色

色は人間に心理的影響を与える要素であり、なおかつ色ごとに違った印象を与えます。床や壁に使われるカラーはさまざまですが、その中でも代表的な系統といえば「赤」「青」「緑」「白系」「黒・グレー」などでしょう。
色彩心理学では色ごとに下記のような心理効果があるといわれています。

  • 赤:熱さ・情熱・興奮・勢い
    適度な緊張感を与える色なので、会議室やミーティングスペースなどに差し色で取り入れるのもいいでしょう。
  • 青:冷静さ
    集中力が求められる執務スペースや作業部屋などに取り入れると効果を発揮します。
  • 緑:落ち着き、癒し
    目に優しく、リラックス効果や疲労回復効果も期待できるため、エントランスやリフレッシュルームなどに取り入れられるケースが多いです。
  • 白:清潔感、透明感
    色の影響を受けないため、純粋で混じり気の無いニュートラルな印象を与えます。
  • 黒:高級感、重厚感
    重厚集中力を高める会議室や役員用フロア、またエントランスにもお勧めのカラーです。

オフィスで演出したいイメージや雰囲気に合わせて床の色を厳選すれば、より戦略的な空間づくりが可能になります 

参考:日本メディカル心理セラピー協会「色の印象と色が与える心理効果」

1-3. デザイン

どういった素材・色の床材を「どのように配置するか」を検討することも非常に大切です。フロアすべてに同じ床材を貼り付けるだけではなく、ゾーンごとに色や素材を使い分けたり貼るパターンを変えたりすることで、空間の性格の違いを演出することもできます。

2. オフィスに使われる床材4種類

オフィスの床といえばカーペットが主流でしたが、近年では多種多様な床材が登場しています。それぞれの種類と特徴について触れていきましょう。

2-1. カーペット系

オフィスの床材としてもっともポピュラーなのがカーペット(絨毯)です。カーペット系でもタイルカーペット・ロールカーペットと種類があり、演出できる雰囲気も異なります。

2-1-1. タイルカーペット

一般的なオフィスでもっともよく使われているスタンダードな床材。多くは50cm角(なかには25㎝×100㎝のような異型のものもある)のタイル状のカーペットを敷き詰めるため、汚れた場合は部分的な交換が可能です。色柄も各メーカー豊富な品ぞろえで、さまざまな印象の空間づくりに役立ちます。カーペットのパイルのタイプによっても種類は分けられ、ループパイルのタイプは標準的な価格帯や掃除のしやすさが魅力である一方、毛足が長めのカットパイルのタイプはやや高価格帯であるものの、歩いた時の足ざわりが良く高級感を演出できます。

2-1-2. ロールカーペット

ロールカーペットは1枚で広範囲に敷くことができるためタイルカーペットに比べて繋ぎ目も目立たず、空間に一体感を生み出し、より高級感のある空間を演出できます。厚みがあるものであれば、足音などの吸音性、物を落としたときなどの緩衝性にも優れています。

2-2. ビニル系

塩化ビニル樹脂などを使った床材で、タイルタイプと長尺のシートタイプの2種類があります。硬く耐久性・撥水性に優れた床材です。

2-2-1. クッションフロア

塩化ビニール素材の、シート状になった床材です。撥水性があるため水周りなどに使用しやすい素材ですが、比較的柔らかいため過重のあるものを多く置く場所などには不向きです。

2-2-2. フロアタイル

ポリ塩化ビニル素材の、クッションフロアよりも硬いタイル状の床材です。木目や石目調などの柄やデザインも豊富で耐久性もあるため、水周りはもちろん、エントランスなど人の往来が多い床面にも使用しやすいのが特徴です。

2-3. 天然素材

天然の木材や石材などを使った床材を取り入れる企業も少なくありません。カーペットやシートなどに比べて施工・メンテナンス費共にコストは高くなりますが、素材が持つ上質感や気品、天然素材ならではのゆらぎのある表情は目にする人の心を癒してくれます。また経年に伴う変化や傷などがデメリットではなくむしろ味わいとして楽しめるという点も魅力です。

2-3-1. 無垢フローリング

ウォルナット・オーク・バーチなどの無垢材を使った無垢フローリングは、木が持つ本来の香りや風合いを楽しめるほか、経年による変化・深みも味わうことができます。樹種ごとに加工のしやすさや機能性が異なるため、使用する場所や用途に合わせて選ぶのがオススメです。

2-3-2. 大理石

大理石を使った床材は、石によってさまざまな表情を見せるマーブル模様と光沢が唯一無二の高級感を演出してくれます。水に弱いのでメンテナンスに手間はかかりますが、模様のおかげで小さな汚れは目立ちにくいというメリットもあります。

2-3-3. リノリウム

亜麻仁油・松ヤニ・コルク・木粉などの天然素材を材料とする長尺シートの床材です。抗菌性・抗ウイルス性に優れており、生物分解性があるため廃棄時にも自然に還るため環境にも優しいといわれています。原料の亜麻仁油が持つ独特の匂いが特徴的ですが、使用して行くうちに落ち着きます。

2-4. その他

カーペット・ビニル・天然素材のほか、下記のような床材もあります。

2-4-1. タイル

粘土などを高温で焼成した陶磁器であるタイルは、素材が持つ味わいから、重厚感や高級感を演出する際には最適な素材です。防汚性・耐久性・抗菌性といった加工がされた商品も多く比較的メンテナンスもしやすい床材です。

2-4-2. モルタル

建材材料でもあるモルタルは砂・セメントを混ぜ合わせて作られます。無機質で無骨な印象を与えますが、独特な雰囲気を持つためカフェやスタジオっぽさ、スタイリッシュさを演出したいときに相性のいい素材です。

3. オフィスの床の選び方の観点

多彩な床材があるなかで、どれを選べばいいのか分からないという方も少なくないでしょう。そこで、ここからはオフィスの床材を選ぶ方法と選び方について解説します。

3-1. 素材によって音の吸音力が異なる

選ぶ素材によって音の吸音率も変わってきます。例えばカーペット系は音を吸収しますが、タイル・大理石など硬い素材は音が反響しやすくなるため注意しなければなりません。執務エリアや会議室などのように多くの人が業務をおこなったり会話が発生したりするエリアは、カーペットを採用することで音の反響を抑えることを優先した方が良いでしょう。

3-2. 床を貼り分けることで空間の中のエリア分けをする

同じ空間内でも床材の色やデザイン、貼り方を分ければ、壁による仕切りを使わずにゾーニングすることができます。例えば執務空間とリフレッシュエリアが隣接している場合、執務エリアにはカーペット、リフレッシュエリアにはフローリングを採用することで、ゆるやかに空間の性格を分けることが可能になります。壁で仕切るほどではないけれども境界を設けたい、などの場合に有効な手法です。

3-3. 適切な床材の選択で掃除のしやすさが変わる

床材選びにおいて、メンテナンスのしやすさも大切です。飲食スペースなど汚れが発生しやすいところは防汚性能に優れたビニル系や交換のしやすいタイル状のもの、オフィス内で埃の舞い上がりを抑えるならカーペット系が合います。使用用途に適した床材を選ぶことは、後々のメンテナンスの負担を抑えることにもつながります。

4. オフィスの床の配線を工夫する方法

オフィスの床は電話・ネット回線・サーバーなどのコードや電源タップなどが散らばりがちです。コードに足を引っかけた拍子にPCや荷物を床に落としたり、転倒したりするリスクが発生するだけでなく、景観もよくありません。

4-1. OAフロアにする

OAフロアは、OA機器などの配線を床下に収納できる二重床構造のこと。床下に配線が集約されるので、家具の配置換えをするときにコードが邪魔になりにくい、点検をしやすいといったメリットがあります。

OAフロアにするのが難しい場合は、床用のコードカバーなどを使用して配線をまとめるとよいでしょう。

4-2.コードレス化する

近年では、映像を出力・共有する機器や充電機器もワイヤレスが増えています。そういったコードのない機器を導入するのも床を綺麗に見せる方法の一つ。またモバイルバッテリーを積極的に活用することで、デスクへの配線も不要になるので、オフィス全体がよりスッキリする可能性もあります。

5. オフィスの床を貼り替える際の注意点

実際にオフィスの床を張り替える前に、確認しておくべき点がいくつかあります。工事を行う段階になって施工不可となってしまうことを避けるためにも、次のような項目を事前に確認しておくようにしましょう。

5-1. 現状の床を確認する(OAフロアかそうでないか)

OAフロアは、前述した通り床下に配線が収納できるため、もしまだOAフロアになっていないようであれば、貼り替えと同時にOAフロアへの変更も検討するようにしましょう。

5-2. オフィスでの施工が可能かどうか確認する

オフィスが入居しているビルや建物の構造的に、希望する床材を施工できない場合もあります。床材やイメージする雰囲気を最初に決めてから、専門業者に施工の可否を判断してもらうといいでしょう。

5-3. 採用する床材のメンテナンス性を確認する

床は定期的にメンテナンスしていく必要があります。採用したいと思っている床材の清掃・メンテナンスのしやすさを事前に確認しておきましょう。水周りは清掃のしやすいクッションフロアやフロアタイルを、また人の往来の多いエントランスや執務エリアは、汚れた際に交換が容易なタイルカーペットを選択するなど、エリアの特性によってメンテナンス性も考慮して選択することが大切です。

6. おしゃれなオフィスの床 施工事例

実際に床の貼り替えを行い、おしゃれなオフィスを構築した施工事例を3つご紹介します。

6-1. PKSHA Technology

複数のフロアに分かれるオフィス内において、社員が一堂に会する中心的なエリアとなるよう「POCKET PARK」をコンセプトに提案しました。空間の中心には、床のレベルを一段高く上げた人が集まるカウンターをもうけ、周囲のエリアとゆるやかに性格を分けています。

空間の奥に行くにつれ床レベルを階段状に上げて行き、靴を脱いで上がるエリアをつくりました。このエリアは天然木フローリングを採用しており、素足で歩くと心地よいです。 

施工詳細「株式会社 PKSHA Technology オフィス

6-2. リクルート 本社オフィス

都心の拠点を集約するにあたり、本社オフィスに「集まるための場」という重要な機能をもたせ「CO-EN(公園、Co-Encounter)」をコンセプトにリニューアルを行いました。

高層ビルに入居するオフィスであり、各フロアの基本的レイアウトは同じため、フロアごとの特性を持たせるために床や壁、什器に異なるカラーを取り入れました。フロアごとのテーマに沿ったカラーの床が、さまざまな表情を生み出しています。

施工詳細「株式会社リクルート オフィス

6-3. ビジョン

「縁側でゆるやかに縁取る、中庭のあるオフィス」をコンセプトに、オフィスの中心に「中庭エリア」を、中庭と執務エリアとの間に「縁側エリア」を設け、自然とON/OFFが切り替えられるオフィス設計を行いました。

縁側エリアと名付けられた中庭エリアを囲む通路の床には、庭石を模したようなデザインの床になっており、空間にリズムを生み出します。

施工詳細「株式会社ビジョン 本社オフィス

7. まとめ

オフィスの床を工夫すると、オフィスの空間がより魅力的になったり利便性が上がったりすることで企業のブランディングやイメージづくりなど幅広い効果が期待できます。今後オフィスのリニューアルをご検討中の方は、ぜひ今回の内容を参考にしていただけると幸いです。

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