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【今すぐ実践】オフィス防災の具体的な対策を解説。防災備蓄品リスト付き

オフィス防災対策と防災備蓄品を解説するイラスト。避難する人、防災備蓄品、地図、ヘルメット、懐中電灯などが描かれている。

地震・台風・火事・津波などの災害は、いつどんなときやってくるか分かりません。

近年はテレワークの浸透により働き方の選択肢が広がり、出社率やレイアウトが変わった企業も多いのではないでしょうか。2022年に東京都が10年ぶりに「首都直下地震等による東京の被害想定」の見直しをおこなったように、状況に応じて都度従業員の災害・安全対策の見直しをすることが大切です。

当記事では、災害から従業員と会社を守るために今すぐ実践できるオフィス防災の具体的対策と、準備しておくべき防災備蓄品などについて解説します。

目次

1.  オフィス防災とは会社が災害時の従業員の安全確保のために行っておくべき対策のこと

1-1.オフィス防災とは、災害時に企業が従業員の安全を確保するために行っておくべき災害対策のこと

オフィス防災とは、災害が発生した際に企業が従業員の安全を確保するためにおこなっておくべき災害対策のことを指します。
オフィス防災は各自治体の条例によって定められていることが多いため、人数分の食料や飲料水等の備蓄準備も並行して進めておくようにしましょう。

例えば、東京都では帰宅困難者対策を総合的に推進する条例を平成25年4月に施行しており、下記のような内容が条例として定められています。

● 施設の安全を確認した上で、従業員を事業所内に留まらせてください。
● 必要な3日分の水や食料などの備蓄に努めてください。

※現時点では努力義務であり、防災備蓄を行わなかった際の罰則は設けられていません。

また、災害時の対策だけでなく、顧客や取引先の機密情報を漏洩・紛失させないための対策などもオフィス防災の一部です。
参考:東京都防災(帰宅困難者リーフ)
参考:東京都総務局総務部文書課(東京都例規集データベース/東京都帰宅困難者対策条例)

2.オフィス防災が大切な理由

オフィス防災が大切である理由は、災害時に企業と従業員を守るための基盤を構築することにあります。特に、下記の3つのポイントが挙げられます。

オフィス防災が大切な3つの理由を解説するイラスト。従業員の安全、設備・機器の損害防止、労働契約法遵守の3点が示され、それぞれの理由を示すイラスト(避難する人、コピー機、パソコン、労働契約法第五条の文章)が描かれている。

オフィス防災は、従業員の安全を守るだけでなく、設備・機器の損害を防ぎ、労働契約法を遵守するためにも重要です

2-1. 災害時の従業員の安全を守るため

オフィス防災が大切である最大の理由は、災害が発生した際、従業員の命と安全を守らなくてはならないからです。会社にとって、災害時の従業員の安全確保は、最重要事項といえます。
避難経路の確保や防災訓練などを実施し、人的被害を防ぐことが大切です。

2-2. 災害時の設備・機器の損害を防ぐため

災害時の設備・機器の損害を防ぐためにも、オフィス防災は重要です。オフィスのデスクやパソコンといった設備が災害によって破損すると、復旧に多大なコストと時間を要します。備品の固定や耐震対策を行うことで、被害を最小限に抑えられるでしょう。

2-3. 労働契約法を遵守するため

労働契約法を遵守するためにも、オフィス防災はしっかりと行うことが大切です。労働契約法5条では、使用者(会社)は従業員が安全を確保して労働できるよう、配慮することが定められています。
また、東京都では東京都帰宅困難者対策条例により、3日分の防災備蓄品準備などが努力義務として課されています。

参考:東京都総合防災部「東京都帰宅困難者対策条例の概要

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3.オフィス防災が必要な理由

オフィス防災は、企業と従業員にとってなぜ必要なのでしょうか。オフィス防災が必要な理由について解説します。

3-1. 最小限の被害で済ませることができる

災害時に最小限の被害で済ませるためには、事前の防災対策が欠かせません。防災備蓄品の準備や避難経路の確保、オフィス什器の固定などを徹底することで、災害時の被害を軽減可能です。災害に対する日頃からの備えが、企業と従業員を守ります。

3-2. 災害が発生しても事業を継続、早期回復を図ることができる

災害時でも事業を継続し、早期回復を図るうえで大切なのが、事業継続計画(BCP)の策定です。緊急対応体制の構築や情報共有手段の確保に加え、重要業務を維持するための代替手段を準備しておくことで、混乱を最小限に抑え、迅速な業務再開が可能になります。

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4.オフィス防災の6つの具体的な災害対策

実際にオフィス防災を行う場合、何から始めるべきか悩んでしまう企業も多いでしょう。
防災対策には多くの方法がありますが、優先して実施するべき代表的なオフィス災害対策は下記の6つです。

オフィス防災で優先したい6つの災害対策を解説するイラスト。定期的な防災訓練、安否確認手段の整備、避難経路の確認、防災備蓄品の整備、什器のレイアウト調整、感染症対策の6点が示され、それぞれの対策を示すイラストが描かれている。

4-1. 定期的な防災訓練・教育の実施

定期的な防災訓練・教育は、被災時の行動の基準を理解するうえで大切な対策です。具体的には、避難ルートの確認、消火設備の使い方、身体防護の方法、状況確認のための情報収集などが該当します。

防災訓練・教育を定期的に実施することで、従業員は万一の事態が起きたときに、正しく行動できるようになります。

4-2. 被災時の安否確認手段の確保

災害発生時に従業員の安否を迅速に確認する手段を、事前に整備しておきましょう。具体的には、従業員全員が利用できる安否確認システムやツールの導入、社内緊急連絡網の整備、各部署の責任者による確認体制などです。

定期的に安否確認アプリの操作方法の研修や、緊急連絡網の確認を行う防災訓練を行うこともおすすめします。

4-3. 災害発生時の避難経路や役割分担を決めておく

災害発生時の避難経路や役割分担を決めておくことも、オフィス防災の大切な対策です。いざというときにどのような経路で避難すればいいか、自分の役割は何かを理解しておくことで、災害時に適切な行動を選択できます。

4-4. 非常用品や救出用資材等の防災備蓄品の整備

非常用の食料や飲料水、懐中電灯、救急セットなどの備蓄品は、定期的な点検をしましょう。保存期限の確認をし、期限切れ商品の入れ替えも欠かせません。

さらに、救助用具や簡易トイレなどの設備を準備することで、長期間の避難生活にも対応できます。防災備蓄品の管理担当者を決め、チェックリストを活用して確実な備蓄品管理をしましょう。

4-5. オフィス什器のレイアウト調整・固定

オフィス防災では、オフィス什器のレイアウト調整と固定も重要です。地震などによる什器の転倒を防ぐため、什器はあらかじめレイアウト位置を調整し、きちんと固定しておいてください。窓ガラスが割れるのを防ぐため、近くに物を置かない、重い物はなるべく下のほうに置くといった対策も効果的です。

参考:東京都「災害が起きる前に(会社・職場編)

4-6. 感染症対策を徹底する

感染症対策の徹底も、オフィス防災では重要です。災害時の重症者の受け入れや治療を行う災害拠点病院は都道府県ごとに設置されていますが、誰でもすぐに診てもらえるとは限りません。

季節性のインフルエンザなどは、災害時に感染が急拡大する可能性があるため、予防接種を実施するだけでなく、空気清浄機やアルコール消毒液などをオフィスに設置するなどして、感染を予防してください。

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5.すぐにできるオフィスの地震災害対策

地震対策は、オフィス防災の中でも重要な対策です。すぐにできる地震災害対策をご紹介しますので、自社のオフィスにも導入してみてはいかがでしょうか。

5-1. デスク周り

デスク周りでは、パソコンやモニターが落下しないように固定することが重要です。耐震マットなどを使用して、デスク上の機器をしっかりと固定しましょう。

5-2. キャビネットやワゴンなどの収納什器

キャビネットやワゴンなどの高さのある什器は倒れやすいので、壁に固定金具をつけたりして固定します。重い物は下段に収納し、上段には軽い物を入れてバランスをとると良いでしょう。

5-3. パーティション

パーティションは、倒れると避難経路をふさぐ可能性があります。固定具を使用して、しっかりと固定しましょう。特に、高さのあるパーティションは注意が必要です。
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6.用意しておきたいオフィスの防災備蓄品

災害発生時に従業員の安全と健康を守るため、オフィスには十分な防災備蓄品を用意しておいてください。用意しておきたいオフィスの防災備蓄品は、下記のとおりです。

<用意しておきたい主な防災備蓄品>

・水(ペットボトル入り飲料水)

・食料品(非常食セット、缶詰、パン、乾パンなど)

・紙おむつ

・生理用品

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7. 用意しておきたいオフィスの防災グッズ

防災備蓄品だけでなく、防災グッズも用意しておくと、いざというときに便利です。用意しておきたいオフィスの防災グッズを、カテゴリー別にご紹介します。

7-1. 救護対策グッズ

救護対策グッズは、災害で病気やケガをした際に使用します。主に、下記のようなものを用意しておくといいでしょう。

<主な救護対策グッズ>

・医薬品

・救護担架

・絆創膏

・包帯

・ガーゼ

・消毒液

7-2. 安全対策グッズ

安全対策グッズは、避難中や復旧作業時に従業員を守るための必須アイテムです。用意すべき主な安全対策グッズは、下記のとおりです。

<主な安全対策グッズ>

・消火器

・ヘルメット

・軍手

・長靴

・救助用工具(油圧ジャッキ、バールなど)

・拡声器

7-3. 停電対策グッズ

災害によってオフィスが停電したときのために、停電対策グッズも用意しておきましょう。主な停電対策グッズは下記のとおりです。

<主な停電対策グッズ>

・懐中電灯

・非常用発電機

・ラジオ

・電池

7-4. 衛生対策グッズ

災害が発生すると、トイレが使えなくなる可能性があります。そうしたケースに備え、下記の衛生対策グッズを用意しておいてください。

<主な衛生対策グッズ>

・簡易トイレ

・トイレットペーパー

・ウェットティッシュ

・アルコールジェル

・生理用品
用意しておきたい防災備蓄品・防災グッズのリスト。防災備蓄品、救護対策グッズ、安全対策グッズ、停電対策グッズ、衛生対策グッズの5つのカテゴリに分けられ、それぞれのカテゴリに必要なアイテムがリスト形式で記載されている。

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8.防災備蓄品・防災グッズを収納するのに最適な場所

オフィス防災では、防災備蓄品や防災グッズを、適切な場所に収納しておくことが重要です。収納のポイントは、分散させる、使用する場所の近くに置くことです。

ここでは、防災備蓄品や防災グッズを収納するのに、最適な場所をご紹介します。
防災備蓄品・防災グッズの最適な収納場所を示すイラスト。デスク下、休憩スペース、専用ロッカー、受付付近、営業車の5つの場所が示され、それぞれの場所に収納するべきアイテムが記載されている。

8-1. 防災袋はデスク下に収納する

軍手などを入れる防災袋の収納場所は、デスク下が最適です。デスク下に収納することによって、災害発生時に従業員がすぐに取り出せます。ヘルメットや簡易マスクなども入れておくといいでしょう。

8-2. 休憩スペースやベンチ下を活用する

休憩スペースやリフレッシュスペースのベンチの下など、日常的に使用される場所に備蓄品や防災グッズを配置すると、取り出しやすくなります。非常食や簡易トイレなど、頻繁に必要になるものを収納すると便利です。

8-3. 防火区画を考慮し、フロアごとにロッカーを設置する

炎や煙の広がりを防ぐ目的で建物内を区分けした防火区画ごとに、防災備蓄品や防災グッズを入れたロッカーを配置しておくと、災害発生時に対応しやすくなります。
いざというときに従業員が必要なものをすぐ取り出せるよう、ロッカーの位置は社内に周知しておきましょう。

8-4. 懐中電灯などの停電対策グッズは、取り出しやすい場所に置く

懐中電灯や電池などの停電対策グッズは、取り出しやすい場所に置くのがおすすめです。災害時は暗所での行動が求められる場合があるため、そうしたグッズは取り出しやすい場所に置いておかないと、そろえておく意味がありません。受付や部屋の出入口付近などが適しています。

8-5. 営業車にも防災備蓄品を置いておく

営業車がある会社なら、車内にも備蓄品を用意しておくことをおすすめします。営業車にも備蓄品を置いておけば、営業車で外出中の従業員も安全な避難が可能です。備蓄品は、軽量でコンパクトなものにすることをおすすめします。

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9.オフィス防災に力を注ぎ、災害時に備えよう

いかがでしたでしょうか。災害はいつ発生するか分からないからこそ、事前の対策が被災時の企業としての命運を分けます。
まずは危険度の高い家具の固定や優先度の高い防災備蓄品の確認から見直してみてはいかがでしょうか。

オフィス防災は、従業員の安全確保と企業の持続的な運営に不可欠です。災害対策を行うことで、災害発生時の被害を最小限に抑えやすくなり、事業の早期再開もしやすくなります。また、従業員の安心感を高め、企業としての社会的信頼も向上します。

オフィス防災への取り組みは今すぐ実践できる対策から始め、備えを万全にしましょう。

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