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オフィス移転のメリット・デメリットとは?事例や成功のポイントも紹介

オフィス移転のメリット・デメリットとは?事例や成功のポイントも紹介

コロナ禍を経て多くの企業で出社回帰が進み、オフィスの役割が改めて問い直されています。GOOD PLACEが首都圏の会社員を対象に実施した調査では、週5日以上出社している人が56.5%、出社が義務または推奨されている企業が70.2%にのぼりました。リモートワークで得た柔軟性を活かしつつ、出社する日のオフィス体験をどう高めるか。この問いに向き合う企業が増える中で、オフィス移転は単なる場所の変更を超えた、働き方と空間を再設計する機会として注目されています。

オフィス移転のメリットは、社内コミュニケーションの活性化、ブランドイメージの向上、従業員の意欲向上、オフィスコストの最適化、多様な働き方への対応、事業拡大への備え、業務効率の改善、BCP強化、面積の見直しによる賃料負担の軽減の9つに整理できます。一方で初期費用や従業員の負担、通勤環境の変化といったデメリットもあり、両面を把握したうえで判断することが欠かせません。

この記事では、移転の検討段階にある総務・管理部門の担当者が判断材料として活用しやすいよう、調査データと実際の事例を交えながら、メリット・デメリット・成功のポイントを整理しました。「まだ漠然と検討し始めた段階」という方にも、全体像をつかむ入り口としてお役立ていただければと思います。

目次

1.オフィス移転で得られる9つのメリットとは

オフィス移転には、従業員体験の向上、ブランド価値の強化、コスト最適化、事業継続性の向上など、幅広い効果が期待できます。職場環境は従業員の生産性や意欲に直結し、企業文化の浸透にも影響します。また、来訪者や採用候補者に対しては企業の姿勢を示す場となり、企業の成長戦略に関わる投資といえます。ここでは、調査データを踏まえ、移転によって期待できる9つのメリットを紹介します。

オフィス移転の9つのメリットを示す俯瞰図。社内コミュニケーションの活性化、ブランドイメージ向上、仕事への意欲の向上など

1-1. 社内コミュニケーションが活性化する

オフィス移転や改修は、従業員同士の接点を意図的に設計し直す機会となり、組織内のコミュニケーションを大きく変えるきっかけになります。部署を越えた偶発的な交流が生まれやすい環境を整えることで、情報共有が滑らかになり、業務の相談や協働も自然と促進されやすくなるのではないでしょうか。

たとえば、ABWを取り入れたフリーアドレスとワークスペースのバリエーションを増やすレイアウトを採用した企業では、能動的な行動や会話環境の充実が促され、従業員同士が自然に会話しやすい環境へと進化しています。情報共有や相談が日常的に行われるようになるという変化は、移転・改修における代表的な効果の一つです。

GOOD PLACEが首都圏の会社員884名を対象に実施した調査では、自分の職場が「自然に会話が生まれる空間だ」と感じている人のうち、80.5%がオフィス全体に満足していると回答しました。逆にオフィスに「非常に不満」と答えた層の42.2%は、雑談や偶発的な会話がまったく発生していません。オフィス内で自然な会話が生まれるかどうかが、環境への満足度を大きく左右することを示しています。

GOOD PLACEの調査によると自然に会話が生まれるオフィスは満足度が高い

一方、座席形式別に見ると、1日1回以上の雑談が発生する割合は固定席で42.3%に対し、フリーアドレスでは21.3%にとどまっています。フリーアドレスを導入すればコミュニケーションが活性化するとは限らず、会話が自然に生まれるような空間の設計と運用の工夫が欠かせません。

同調査では、オフィスに「非常に満足」している人の40.8%が「もっと出社したい」と回答している一方、「非常に不満」と答えた人の55.6%は「出社を減らしたい」と回答しています。コミュニケーションが自然に生まれる空間設計は、満足度だけでなく出社意欲にも影響するということでしょう。

出所:株式会社GOOD PLACE「オフィスとコミュニケーションに関する実態調査」(2025年、首都圏会社員884名対象)
出所:株式会社GOOD PLACE「フリーアドレスオフィスの実態調査」(2025年、フリーアドレス勤務者441名対象)

1-2. ブランドイメージが高まる

オフィスは企業の価値観や姿勢を五感で伝えるタッチポイントです。来訪者が必ず訪れるエントランスや共用エリアは、企業の世界観や文化を象徴する場となり、採用活動でも印象を左右します。訴求力を持つ空間設計によってオフィス空間は企業が発信したいメッセージを効果的に届ける手段として機能します。

実際に、エントランスから共有エリアまで一貫したデザインでオフィスを再構築した企業では、応募者から「企業の価値観が伝わってきた」という声が増え、採用活動にも良い影響が生まれています。

ブランド価値を高めるには、理念や文化を空間にどのように表現するかが鍵になるでしょう。単なるデザイン性の追求ではなく、「自社らしさとは何か」を問い直しながら空間に落とし込むプロセスが、従業員の誇りの醸成や来訪者の信頼形成につながっていきます。

オフィスのエントランス設計について詳しく知りたい方は、オフィスエントランスの役割とデザインのコツもあわせてご覧ください。

1-3. 仕事への意欲が高まる

働く環境の変化は、従業員の意欲や仕事の感じ方に大きな影響を与えます。特に、業務内容に合わせて集中・交流・休憩のバランスを取れる環境が整うと、日々の働きやすさが高まり、仕事に向き合う姿勢にも良い変化が生まれます。

JOIFA(一般社団法人日本オフィス家具協会)の調査では、「オフィス環境の良し悪しは仕事に対するモチベーションに影響する」と回答した割合が71.4%、「仕事の成果をあげることに影響する」と答えた割合が64.8%に達しています。

この結果は、レイアウトや家具、ゾーニングなど、物理的な環境の質が従業員の意欲に関わる要素であることを示しています。特に、集中できるスペースと気分転換できるスペースが適切に配置されている場合に効果が高いとされています。

働きやすいオフィスは心理的安全性を高め、長期的なエンゲージメント向上にもつながります。近年ではウェルビーイングの観点からオフィス環境を見直す動きも広がっており、従業員の健康と意欲を支える空間設計が注目されています。業務への意欲向上は生産性の土台となり、移転によって環境を整えることは、組織全体のパフォーマンス向上に直結する施策といえます。

1-4. オフィスコストの最適化ができる

オフィス移転は、運用コストを根本から見直す機会になります。座席稼働率や出社パターンを把握すると、実際の働き方に対して面積が過不足になっているケースは少なくありません。コロナ禍を機に席数を削減した企業では、出社回帰が進む中で、現在の席数やレイアウトが実態に合わず、従業員が働きづらさを感じているケースも見られます。

移転時には、業務に必要な機能を整理し、どのスペースにどれだけの役割を持たせるかを再設計できます。会議室のサイズ調整や座席密度の最適化、共有エリアの比率見直しなどを行うことで、より効率的にスペースを使えるようになります。単に面積を拡大・縮小するのではなく、機能配置の精度を高めながら適切な面積を確保することで、無理のないコスト制御が可能になります。

コスト最適化とは、削ることが目的ではなく、必要な場所に必要なだけ投資し、組織の成長に向けて資源を振り向けられる状態をつくることです。この視点で捉えると、移転は「コスト削減」ではなく「投資の再配分」という考え方になるのではないでしょうか。働き方の変化に合わせて空間の役割を再定義することで、賃料や維持費を抑えながら、事業運営にとって最適なオフィスを維持できます。

1-5. 多様な働き方への対応

ABWやハイブリッドワークの普及により、従業員が業務に合わせて働く場所を柔軟に選べる環境づくりが求められています。オフィス移転は、こうした新しい働き方と空間を結びつけるための見直しを進めやすいタイミングです。

GOOD PLACEがフリーアドレス勤務者441名を対象に実施した調査では、働きやすいオフィスの条件として「1人あたりのスペースが広い」を挙げた人が47.4%、「静かな作業に集中できるエリア」が32.2%と、広さと集中環境が2大要件として浮かび上がりました。集中ブースやWeb会議ブースの設置率は約6割に達しているものの、実際の利用率は約3割にとどまっており、設備を整えるだけでなく運用面の設計も含めた対応が求められます。

出所:株式会社GOOD PLACE「フリーアドレスオフィスの実態調査」(2025年、フリーアドレス勤務者441名対象)

移転時にゾーニングや設備を整理することで、集中作業・オンライン会議・対面での議論といった異なるニーズに応えられる環境を整えられます。これにより、業務負荷の軽減や作業効率の向上が期待でき、従業員が日々の業務に向き合いやすい状態が生まれます。

多様な働き方に対応できるオフィスは、出社時には対面での連携や創造的な業務に集中でき、在宅時には個人作業を効率的に進められる環境を前提とすることで、出社と在宅の双方にメリットをもたらします。働き方の選択肢が広がることで、従業員体験の質を高める効果があります。

1-6. 事業拡大への対応

組織が成長する過程では、座席数や会議スペース、部署配置など、求められるオフィス要件が大きく変わります。移転は、こうした変化に備えて必要な機能を整理し、拡張しやすいレイアウトに整える機会になります。

日本政策投資銀行・価値総合研究所『オフィスビルに対するステークホルダーの意識調査2024』では、オフィス変更を実施・検討している成長企業の約半数が、生産性向上に資するオフィス環境の整備を変更理由に挙げています。成長フェーズにある企業ほど、オフィスを戦略的な投資対象として捉えている傾向がうかがえます。

成長フェーズにある企業では、短期間で人員や組織構成が変わることがあります。将来の増席や部署間の再編を見越した設計をおこなっておくことで、大幅な手戻りが発生しにくくなり、事業運営の安定につながります。

オフィスは事業の基盤であるため、成長に伴う変化に対応できる柔軟性を持たせることが、長期的な効率性の確保につながります。「今の最適」だけでなく「3年後の最適」まで見据えた設計ができる点も、移転ならではの利点といえるでしょう。

1-7. 効率化や生産性向上を期待できる

オフィス移転は、日々の業務で生じている非効率を構造から見直す機会となります。動線の混雑や会議室不足、オンライン会議環境の整備不足といった課題は、個別で対処するよりも、利用状況を踏まえたレイアウト変更など根本的な改善をすることが大切です。

移転時にレイアウトとICT環境をあわせて最適化することで、業務プロセス全体をスムーズにする土台が整います。たとえば、会議室のサイズや用途を整理することで利用頻度が分散し、オンラインと対面の両方に適した働き方が実現します。環境を構造的に整えることで、従業員が業務に集中しやすい状態が生まれます。

イトーキ中央研究所が2024年に実施した「働き方とオフィス2024」調査では、オフィス環境に満足していると回答した層の9割強が、自身の生産性が高いと感じていると答えています。環境への満足度と生産性の実感が強く連動していることからも、効率化は空間・設備・働き方を総合的に考慮しながら取り組むことで高まるといえるでしょう。要素を個別に改善するのではなく、全体設計から見直せる点にこそ、移転の価値があるのではないでしょうか。

生産性を高めるオフィス環境の具体的な工夫については、生産性向上につながるオフィス環境改善、10個の工夫で事例とともに紹介しています。

1-8. BCP(事業継続計画)を強化できる

災害リスクやインフラ老朽化への対応は、既存オフィスの部分的な改善だけでは限界があります。ビルの耐震性能や防災設備、バックアップ電源といった要素は、建物そのものが持つ性能に左右されるため、移転によって条件を刷新することが有効です。

新たな拠点を選ぶ際に、災害リスク、電源や通信回線の安定性、設備の更新性などを見極めることで、緊急時にも業務を継続しやすい環境になります。また、サーバー室や備蓄スペースを計画的に確保できる点は、既存オフィスの制約下では実現しにくい改善です。

BCPは事業を止めないための基盤であり、必要な安全性とインフラを確保できることが移転の大きな意義と言えます。

1-9. 働き方の変化に合わせた面積の見直しができる

ハイブリッドワークの普及により、すべての従業員が同時に出社する前提でオフィス面積を確保する必要がなくなった企業が増えています。出社率のデータをもとに適正な席数を再設計し、フリーアドレスやABWを組み合わせることで、面積の最適化が可能になります。その結果として賃料負担の軽減につながるケースもありますが、採用の利便性や将来の拡張余地も含めた総合判断が前提です。

ただし、面積や賃料の低減だけで判断することは適切ではありません。採用や通勤の利便性、来訪者が利用する交通網、将来的な拡張余地など、複数の視点を含めて総合的に検討することが求められます。短期的な削減効果よりも、事業と働き方に合ったスペースを選ぶことが、中長期的な費用対効果を高める結果につながります。

面積の見直しは、企業の戦略に沿った適切な投資バランスに整える手段として位置づけることが大切です。

2.オフィス移転で発生する5つのデメリットと対策

オフィス移転は大きな効果を期待できる一方で、あらかじめ把握しておきたいデメリットも存在します。従業員の負荷や初期費用、プロジェクトにかかる時間など、課題を事前に理解しておくことで、適切な対策を講じやすくなります。ここでは、代表的な5つのデメリットを整理し、リスクを軽減するための視点を紹介します。

オフィス移転の5つのデメリット。従業員への負担、従業員の不安、初期費用、通勤環境の変化、コストや時間

2-1. 従業員に負担がかかる

オフィス移転は準備項目が多く、従業員にも対応してもらう業務が発生します。荷物の整理や移転準備の調整が重なることで、日常業務との両立が難しくなり、負担につながる場合があります。また、移転対応が特定の人に偏ると、周囲への業務負担が生じ、組織全体のパフォーマンスに影響することもあります。

負荷を抑えるには、移転の全体像や進行方針を早期に共有することが欠かせません。影響範囲が整理されていることで、従業員が過度に不安を抱えることなく、通常業務に取り組みやすくなります。加えて、移転に伴う調整業務を専門会社に委ねることも有効です。

GOOD PLACEでは、ソリューションPMと呼ばれるプロジェクトマネジメントの専門家が、移転に関わる各種手配や工程管理をサポートしています。移転業務の負荷を社外に分散させることで、担当者が本来の業務に集中しやすい環境を整えられます。

2-2. 従業員から戸惑いや不安が生じる場合がある

移転によって働く環境やルールが変わると、従業員の受け止め方に差が生まれることがあります。座席の使い方やレイアウト、共用スペースの増減、働き方のルール変更などは、これまでの環境に慣れている従業員にとって負担に感じられる場合があります。変化に対して慎重な反応を示す従業員がいることを理解しておく必要があります。

不安を軽減するためには、移転の目的や背景を丁寧に共有し、従業員の意見を聞く姿勢が求められます。検討段階から対話の機会を設けることで納得感が生まれ、移転後の環境にも順応しやすくなります。

2-3. 初期費用が高額

オフィス移転は内装工事や家具、ネットワーク設備など幅広い費用が発生し、初期投資が大きくなる傾向があります。仕様によって費用は大きく変動し、短期的にはコスト負担が増えるため、企業によっては慎重な判断が求められる場面もあります。

大切なのは単に費用を抑えることではなく、投資対効果を長期的に捉える視点です。生産性向上や採用力向上といった効果を加味することで、適切に予算を配分しやすくなります。

費用の内訳や相場の詳細は、オフィス移転費用の相場と内訳で項目別に整理しています。

2-4. 通勤が不便になる場合もある

移転先の立地によっては、一部の従業員にとって通勤時間が増えたり、アクセスが悪くなったりする場合があります。通勤のしやすさは働きやすさに直結するため、移転先の選定では慎重な判断が求められます。立地の変化による影響を見落とすと、従業員満足度や生産性の低下、採用活動への影響につながることもあります。

候補地を検討する際には、主要路線・最寄り駅からの距離・周辺環境など複数の観点から評価することが求められます。従業員の通勤負担を把握し、リスクを最小限に抑えられる立地を選びましょう。

2-5. 移転にはコストや時間がかかる

オフィス移転は計画から完了まで時間とコストを要します。設計、施工、物品調達、各種手続き、引越作業など、多くの過程が密接に関連しながら並行して進むため、スケジュールが逼迫するとミスやトラブルが起こりやすくなります。

リスクを抑えるには、余裕をもったスケジュール設計と関係者間の密な連携が欠かせません。全体過程を整理し、早期に計画を固めることで、移転に伴う負担を最小限に抑えられます。

3.オフィス移転を成功させるために押さえたい5つのポイント

オフィス移転を成功させるには、目的整理からスケジュール設計、社内体制づくりまで、段階的な準備が求められます。ここでは、移転の効果を引き出すための5つの視点を紹介します。

オフィス移転を成功させる5つのポイント。移転目的の明確化、スケジュールの余裕、プロジェクトチーム結成、パートナー会社の協力、移転後の継続改善体制

3-1. 移転の目的を明確にする

移転の成功は、「なぜオフィスを移転するのか」という目的をどこまで具体化できるかに大きく左右されます。

コミュニケーションの活性化、コストの最適化、採用力の強化、働き方の見直しなど、企業によって解決したい課題はさまざまです。これらを曖昧なまま進めるのではなく、優先順位をつけて言語化しておくことが求められます。

目的が整理されていれば、レイアウトや立地、設備投資の判断に一貫した軸が生まれ、意思決定がスムーズになります。一方で、目的が不明確なまま進めてしまうと、完成後に「何を改善したかったのか分からない」状態に陥り、期待した効果を十分に得られない可能性があります。移転はあくまでも目的を達成するための手段です。ゴールから逆算してオフィス設計をする姿勢が、成功への近道となります。

移転を検討する理由の全体像を掴みたい場合は、オフィス移転はなぜ必要?7つの理由と成功のコツもご参照ください。

3-2. スケジュールには余裕を持たせる

オフィス移転は過程が多く、社内外の関係者も多岐にわたるため、余裕を持ったスケジュール設計が不可欠です。

特に物件確定後の内装設計や工事、IT環境の整備は想定以上に時間がかかることがあります。検討や意思決定が後ろ倒しになると、全体の進行に影響が出やすくなります。あらかじめバッファを見込んだ計画を立てることで、突発的なトラブルや仕様変更にも柔軟に対応でき、結果として移転全体の安定性が高まります。

スケジュールの全体像をより具体に掴みたい場合は、オフィス移転の流れと必要業務を解説をあわせてご覧ください。検討開始から移転後対応までを時系列で整理しているため、自社の計画を逆算する際のたたき台として活用できます。

3-3. オフィス移転のプロジェクトチームを作る

オフィス移転を円滑に進めるには、社内に専任のプロジェクトチームを設けることが求められます。

移転は単なる総務業務ではなく、IT環境、人事制度、各部門の働き方などが密接に関わるため、初期段階から関係部署を横断的に巻き込む必要があります。

総務部門だけで進めるのではなく、IT・人事・各事業部門を含めて役割分担を明確にすることで、実務要件の抜け漏れを防ぎやすくなります。特に、座席配置や設備要件、運用ルールなどは部門ごとの事情が反映されやすいため、現場視点を早期に取り入れることが求められます。

あわせて、情報共有の頻度や意思決定プロセスを整理しておくことで、判断の停滞や手戻りを抑えられます。会議体や決裁ルートを明確にすることで、移転を一部の担当者任せにせず、全社的なプロジェクトとして進めやすい体制が整います。

3-4. オフィス移転のパートナー会社に協力してもらう

専門会社の知見を活用することで、オフィス移転に伴う負荷やリスクを大きく軽減できます。

オフィス移転では、設計・工事・各種調整を同時並行で進める必要があり、検討項目も多岐にわたります。これらを担当者だけで対応すると、判断や対応が特定の人に集中し、通常業務との両立が難しくなることもあるでしょう。

オフィス移転を専門とするパートナー会社に協力してもらえば、プロジェクト全体を俯瞰した視点からアドバイスを受けることができます。社内では得にくい最新のオフィス動向や働き方の変化に関する知見を活かし、ゾーニングやレイアウト、工程設計を整理しやすくなります。

また、レイアウト設計や施工管理、工程調整といった専門性の高い業務を外部に委ねることで、社内は意思決定や関係部署との調整に集中しやすくなります。その結果、スケジュール遅延やコスト超過のリスクを抑えた、安定したオフィス移転につながるといえるでしょう。

3-5. 移転後の継続改善体制も求められる

オフィス移転は完成がゴールではなく、実際の運用を通じて改善を重ねていくことが求められます。

使い始めてから初めて見えてくる課題も多く、会議室の使われ方や座席の偏り、動線の無駄などは、事前設計だけでは完全に予測できません。

GOOD PLACEの調査では、在籍3年未満の従業員の92.0%がオフィスに何らかの改善を求めていました。改善要望は在籍年数によって大きく異なり、3年未満は会議室不足や席の多様性を指摘する割合が高い一方、10年以上の層では不満自体が少なくなります。入社して間もない人材ほど環境への感度が高いため、移転直後の声を拾う仕組みが定着率にも影響します。
GOOD PLACE調査によると。在籍3年未満の従業員の92.0%がオフィスに何らかの改善を求める

出所:株式会社GOOD PLACE「フリーアドレスオフィスの実態調査」(2025年、フリーアドレス勤務者441名対象)

そのため、移転後は定期的に利用状況を確認し、従業員の声を拾う仕組みを持つことが欠かせません。アンケートやヒアリングを通じて課題を可視化し、必要に応じてレイアウトや運用ルールを調整することで、働きやすさを維持しやすくなります。改善を前提とした体制を持つことで、オフィスは一過性の施策ではなく、企業成長を支える資産として機能し続けます。

移転ではなくリニューアルでの環境改善を検討する場合は、オフィスリニューアルとは?効果・費用・期間・進め方をやさしく解説が参考になります。

4.この記事で紹介した事例

記事内で取り上げた事例の詳細は、以下のページでご覧いただけます。実際のオフィス写真やプロジェクトの背景も含めて紹介していますので、移転やリニューアルのイメージを具体的につかむ際にお役立てください。

ABWを取り入れたフリーアドレスとワークスペースのバリエーションで会話環境の充実を実現したTMES株式会社の本社オフィス

TMES株式会社 本社オフィス(1-1で紹介)

ABWを取り入れたフリーアドレスとワークスペースのバリエーション増加によるコミュニケーション活性化の事例

オフィス移転事例_ビジョンさま

株式会社ビジョン 本社オフィス(1-2で紹介)
ミッションや文化を空間全体で体現し、採用活動にも良い影響をもたらしたブランド構築の事例

 

GOOD PLACEの施工事例一覧はこちら

オフィス移転に関するよくある質問

Q. オフィス移転のメリットにはどんなものがありますか?

A. 社内コミュニケーションの活性化、ブランドイメージの向上、従業員の意欲向上、コスト最適化、多様な働き方への対応、事業拡大への備え、効率化・生産性向上、BCP強化、賃料負担の軽減の9つが代表的です。

Q. オフィス移転にはどのくらいの期間が必要ですか?

A. 計画開始から移転完了まで、10カ月程度が目安です。規模や設計内容によっては1〜2年かかるケースもあります。

Q. オフィス移転の初期費用はどのくらいかかりますか?

A. 入居費用・内装工事費・原状回復費の3つで構成されますが、物件グレードや工事範囲によって大きく変動するため一概には示しにくいのが実情です。費用項目の内訳と考え方についてはオフィス移転費用の相場と内訳で詳しく整理しています。

Q. オフィス移転で従業員の負担を軽減するには?

A. 移転の全体像と進行方針を早期に共有し、特定の担当者に業務が集中しないよう分担を明確にすることが基本です。プロジェクトマネジメントの専門会社に調整業務を委ねる方法も有効です。

Q. オフィス移転を専門会社に依頼するメリットは?

A. 設計・施工・工程管理を専門家に任せることで、社内は意思決定と関係部署の調整に集中できます。スケジュール遅延やコスト超過のリスクも抑えやすくなります。

Q. オフィス移転後にやるべきことは?

A. 定期的に利用状況を確認し、会議室の使われ方や座席の偏り、動線の課題を把握して運用ルールやレイアウトを調整します。改善を前提とした体制を持つことで、オフィスの効果が持続します。

オフィス移転ならGOOD PLACEへご相談ください

GOOD PLACEは、移転計画の立案から設計・施工・運用改善まで一貫した支援を提供する専門会社です。単なる「引っ越し」ではなく、企業が抱える経営課題や働き方の変化を捉えた戦略的なオフィス移転を目指し、目的や背景を丁寧に読み解きながら最適なプランを設計します。

GOOD PLACEの特徴は、移転プロジェクト全体を俯瞰しながら伴走する独自のメソッドにあります。移転検討の初期段階から関係部署を巻き込み、目的整理やスケジュール設計、レイアウト計画を統合的に進めることで、移転効果を引き出し、従業員体験の向上や採用力の強化、生産性向上につなげます。

空間のデザインにおいては、企業の文化や価値観を反映したコンセプト設計から始まり、インテリアや家具、動線計画まで細部にわたり調整を行います。また、移転・リニューアル後のスムーズな就業開始を視野に入れたコーディネートも特徴で、新オフィスでの立ち上がりを支える体制を整えます。

移転後の運用や改善まで見据えた支援があることで、オフィスは一度きりの施策ではなく、企業成長を支え続ける基盤として機能します。移転をきっかけに働き方や組織のあり方まで見直したいとお考えでしたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。漠然とした段階からでも、一緒に整理していくところからお手伝いできます。

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オフィスリニューアルとオフィス移転はどう違いますか?
オフィスリニューアルは、現在使用しているオフィスを働きやすくリフォーム・改修することです。一方、オフィス移転は拠点を変えるため、立地や建物条件から見直すことができます。移転よりもコストや期間を抑えたい場合はリニューアルが選ばれることも多いです。
いつオフィスリニューアルを検討するのが最も良いタイミングですか?
以下のいずれかのタイミングが最適です。
1.賃貸オフィス契約の更新時期(一般的に5年〜10年)の1年半前。
2.事業拡大に伴う増員や、出社ルールの変更など従業員数や働き方が大きく変わる時。
3.オフィスの老朽化が目立ち始め、生産性低下や社員満足度低下が懸念される時。
オフィスリニューアルの経験がないため、何から始めていいかわかりません。どうすれば良いでしょうか?
最初にすべきことは、プロジェクトの全体像と期間を把握することです。その上で、リニューアルを成功させる最大のカギは、最適な外部パートナーを選定することです。

パートナーには、要件整理などの企画・設計から予算管理、施工、法的な申請までを一貫してサポートできる実績とノウハウが求められます。
GOOD PLACEでは、豊富な実績を持つメンバーが初期段階からお客様の課題解決に寄り添い、プロジェクトチームに加わって伴走し、オフィスリニューアルを成功へと導きます。

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