蔵の改修に際しては、蔵が持つ建築的特徴を活かしながら現代のライフスタイルに合った室内環境を実現させる工夫を。
歴史的な価値を持つ建築物を次の世代へも受け継ぐために、改修にあたっては多くのものを元々あったものを利用し加工・再利用している。
蔵外観
その古くからの変わらない姿は、地域にとっても大きな意味を持つシンボリックな存在である。
内観-1
蔵の内部は、元々あった天井板を撤去し力強い小屋裏の梁を現(あらわ)にした。梁上に間接照明を設置し、空間を美しく見せる演出を施している。
暗く閉鎖的だった空間が見違えるように解放感のある広がりを持った。既存の木部は灰汁洗いし、元々持つ木肌の美しさを取り戻した。
内観-2
元々引き違い窓だったところをFIX窓へと変更し、美しい庭園をピクチャーウィンドウで切り取るような形で活かすかたちとしている。
窓面に向かう形で書斎用のカウンターを設け、視界を確保するために脚部を遮らないL字形状のテーブルとした。
内観-3
テーブル上にはすっきりとしたペンダント照明を設置し、手元の明るさを確保。
内観-4
保存されていた杉の一枚板を利用し、木目の美しいテーブルに。
大きなテーブルを囲んで地域のコミュニティの場としても利用が可能となった。
内観-5
解体した天井板をルーバーとして再利用。
中央部分が観音開きになり、手前の書斎スペースと奥の土間スペースとのつながりが生まれる。
内観-6
漆喰壁は新たに塗りなおし、元の意匠を美しく蘇らせた。