- クライアント
- 自然電力株式会社
- 業種
- 電気・ガス
- 従業員数
- 200名以上
- 本社所在地
- 福岡県福岡市
「青い地球を未来につなぐ。」をパーパスに掲げ、2011年に創業した自然電力株式会社様。GOOD PLACEは2022年の5月から、スタートアップ企業の同社ならではの特徴である、自律分散型組織に対応した総務業務のサポートを実践しています。People Experience部の落合伸子様に、ご支援のスタートから現在に至るまでの過程についてお話しいただきました。
(聞き手:株式会社GOOD PLACE ソリューションPM部サービスカウンター課マネージャー 二宮千依)
株式会社GOOD PLACE 二宮(以下 二宮)
自然電力様とのお取引のはじまりは、2021年10月にWebサイトからお問い合わせいただいたことがきっかけでした。ご依頼当時の背景をお聞かせいただけますか?
自然電力株式会社 落合様(以下 落合様)
GOOD PLACEさんに依頼する以前は、総務業務の一部を派遣社員とアルバイトの方にお願いしていたのですが、それぞれの事情で退職される方が続き、その度に業務の引き継ぎが必要になっていた状態でした。業務の属人化への課題意識もあったので、アウトソース先としての総務のプロフェッショナル企業を探していたんです。実はほかにも3社ほどに相談してはいたのですが、支援事例とともにもっとも具体的なサポート内容についてお話しいただいたのがGOOD PLACEさんでした。
私自身、総務を長く経験しているので、導入する前の打ち合わせの段階で「あ、これは型に当てはめて考えているな」というのは分かってしまうんです。例えば、あらかじめ想定した時間を過ぎた作業が発生した際に、場合によってはその分のチャージ料金がすぐに発生してしまうと思うのですが、超過分がスタッフの力量によるものなのか、業務量に対して人数が足りていないからなのか、その判断が難しい場合が多いと思います。こちらもまだそこまでかっちりとお願いしたい内容と時間を決められているわけではないので、残業時間としてただ区切るのではなく、こちらの依頼内容と実際の受託内容について柔軟に相談できる企業にお願いしたいという気持ちがありました。
二宮
かっちり決めすぎてしまうと、それはそれで業務が進まなくなってしまいますからね。スポットでの残業ならまったく問題ないのですが、恒常的に発生している場合は、スーパーバイザーである私が、その都度業務範囲の調整を提案させていただきました。自然電力様は定例会議を待たずにその場でご判断いただけるので、スピード感を持って進めることができたと思います。
落合様
二宮さんはまさにプロフェッショナルなので、こちらの要望をいち早く理解してくれる安心感がありました。すぐに手続きしていただけるので、お話が早かったのも助かりましたね。また、さまざまな条件を提示させていただいた中でも、当社のカルチャーを理解していただけるかどうかはもっとも重視したことでした。自然電力は、社内のカルチャーやバリューを大事にする会社なので、社員からの問い合わせに対して杓子定規な応答をするだけではなく、柔軟な対応をしてくれることは、条件として外せなかったですね。
社内のさまざまなフィードバックにおいて、ポジティブ/ネガティブではなく、ポジティブ/コンストラクティブ(建設的)という言い方をするカルチャーがあります。「こうあるべきだ」と否定するのではなく、「こうすればもっと良くなる」と考える風土があるので、ルールに対して柔軟に対応していただける方の方が相性が良いと思うんです。杓子定規ではないというのはそういう意味ですね。
二宮
カルチャーをマッチさせるのには、正直苦労もありました。自分で判断して動くことのできるスキルの必要性を痛感し、スタッフたちも苦戦していたようですが、挑戦する良い機会になったと思います。
落合様
こちらとしては、ルールがあったとしても、ある程度状況に合わせてスタッフの判断にお任せしたいと思っているので、無理難題に聞こえてしまう場面もあったのではないかと感じています。
二宮
スタッフによっては、かっちりとしたルールの元での業務が得意な人もいますので、自然電力様に常駐するスタッフには、ある程度の判断軸を持ちながら、その都度融通を利かせながら業務を進めることができる人員をアサインさせていただきました。私たちとしても成長につなげることができたと思っています。
落合様
できる限り業務を属人化させない仕組みをつくることは、依頼当初の大きな課題としてあったので、我々みんなが腑に落ちるような提案をいただいたことも、GOOD PLACEさんに決めた理由として大きかったです。マニュアル自体はすでに揃ってはいたのですが、ベンチャー出身の社員が中心のため教える文化に慣れていないせいか、重要なところが抜けていたり、ルールが不明瞭だったりと、誰が見てもわかるマニュアルになっていませんでした。
二宮
「あとはよしなに」といった場合が多かったので、そこを明確化していく感じでしたね。もちろんマニュアルのつくり方は、会社によって背景や事情、カルチャーがあるので、拝見した際に気になったことを一つずつお伝えするようにしています。すぐにできる業務改善というのは存在しないので、まずはお客さまの現状を深く理解し、より良くするために何ができるのか、それを考えることからスタートしていきました。
落合様
我々のオペレーションだととても時間がかかってしまっていたものを、総務のスペシャリストの視点から時間短縮のアイデアをご提案いただいたのも助かりました。難しいオペレーションについては率直にご意見をいただいたので、やり方を見直すきっかけになりましたし、簡略化するためにできることを相談しながら一緒に考えることができたと思います。
二宮
社内のオペレーションが整った状態ではないお客さまのご依頼をお受けすることは、GOOD PLACEが実践しているオーダーメイドのご支援そのものでもあります。スタッフにとっては大変な場面もあると思いますが、私たちに必要な姿勢だと考えています。
私たちとしては、劇的な改善提案はまだまだこれからだと考えていますが、承認フローを集約して整理したことは、自然電力様の総務サポートの中でも一つの成果だと思っています。
落合様
たしかに、そこはまさに属人化していた部分だったので、整理いただいたことで、承認者が変わった場合にも対応できるようになったと思います。フロントの事業をスムーズに支援するためには、バックオフィスの整備が不可欠だと思っています。
私たちのような自律分散組織は、自由で風通しが良い一方で、統制が利きにくいという面もあります。自然電力はこのカルチャーでうまくいっているので、属人化してしまう業務をいかにパッケージ化するかが課題でした。
二宮
それぞれ組織の考え方が違えど、総務業務の原理原則は変わらないと思っています。基本的にはルールとなる業務範囲の境界線を定めて、それらに対してどんなアプローチをするかでしか無いんですよね。自律性の高い組織ではコミュニケーションスキルが求められますし、ルールへの接し方にこそ、総務の姿勢が問われると思います。
私たちにとって属人化の解決は、もっとも大事にしていることであり、それができない限りは企業のお役に立てないという意識があります。「無理難題」とおっしゃられていましたが、私たちは決してそのようには感じておらず、改善のための提案を一緒に考えさせていただいた次第です。
落合様
GOOD PLACEさんのスタッフは、私たちがあまり気づかないことにも気を配ってくださっていますし、社員に対して柔らかく接していただいているので、気軽に話しかけやすく、私たちのオフィスを守る存在としてとてもありがたく思っています。
おかげさまでバックオフィス業務や庶務を完全にお任せできているので、社内規定の作成やリスクマネジメントなど、会社の根本となる仕事や、土台をつくる業務に集中できるようになりました。これからも引き続き、現在ご支援いただいている業務の習熟度を高めていただくことはもちろん、我々としても、スタッフの方にとってこの場所での経験が別の仕事にも役立つような職場環境にできればと思っています。
二宮
そのように言っていただきありがとうございます。
落合様
また、今後生成AIを導入することで総務のあり方が変わると思っています。もちろん、人がいないと成立しない業務もありますが、ある程度定型の業務に関してはAIだけでできるようにすることで、総務業務において人が担う役割を変えていきたいですね。
二宮
たしかにその通りですね。とはいえテクノロジーが入ってきたとしてもコミュニケーションは必要なので、その分のスキルはうんと磨いていかないといけないと思っています。私たちにとっても成長できる環境だと感じているので、スタッフにはお客さまの元で思いっきり経験を積んでもらいたいですね。
落合様
自然電力では、社員のことを「クルー」と呼んでいて、それは雇用形態の違いにかかわらず、業務委託の方も含めて同じだと思っています。これからもGOOD PLACEさんには自然電力のクルーの一員として、さまざまなことを一緒に解決していきたいと思っています。
(撮影:谷本 裕志 取材・文:堀合 俊博)
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