2013年1月の受託開始から徐々に受託業務の幅を広げ、現在GOOD PLACEで148種類の総務業務をご支援している大手医療機器メーカーのテルモ株式会社様。パートナーとして業務改善に取り組んだ10年の歩みについて、テルモ株式会社で総務業務を担うコーポレートアフェアーズ部長の今田明広様にお話しいただきました。（聞き手：株式会社GOOD PLACE　ソリューションPM部サービスカウンター課課長　原田真友子）

マニュアル作成からスタートした10年間の伴走

株式会社GOOD PLACE 原田　（以下 原田）
テルモ様とは2013年よりお取引をさせていただいており、振り返るとちょうど10年間お付き合いが続いています。改めて、GOOD PLACEに依頼された時のことをお聞かせいただけますか？

テルモ株式会社 今田様　（以下 今田様）
当時、弊社の総務部では、社内のさまざまなオペレーション業務を担うだけではなく、事業のグローバル化にともなう業務の拡大が求められていました。GOOD PLACEさんにお声がけさせていただく以前から、メールルーム業務を外部に委託していたのですが、サービス業務からプランニング業務に集中するためにも、より広範囲に委託業務をお願いできるパートナーを探していたんです。

原田
GOOD PLACEに依頼された決め手はなんでしたか？

今田様
GOOD PLACEさんは、正式な依頼の前から視察やヒアリングのために現場へ足を運んでいただいておりました。弊社の総務部は現場感覚をとても大事にしているので、こちらの視点に立って考えるGOOD PLACEさんの熱意を高く評価させていただいた次第です。

テルモ株式会社　コーポレートアフェアーズ部長　今田明広様

原田
当時、お声がけいただいてから受託までのあいだに、何度かオフィスに伺い、ヒアリングを実施いたしました。働きやすい環境の整備や社員の方々とのコミュニケーションに重きを置いていらっしゃる、テルモ様の姿勢が印象的だったのを覚えています。当時、東京オフィスが八重洲から現在の初台へと移転することが決まっていたタイミングでもありました。

今田様
そうでしたね。弊社もオフィス移転を好機ととらえており、よりサービスの質を向上させたいと考えていました。委託開始にあたり、社内で標準化が徹底されていない業務も少なくなかったため、すぐにお渡しするのは難しいのではないかと考えていたのですが、GOOD PLACEさんに業務フローをヒアリングいただき、マニュアル化を進めていただいたのはありがたかったですね。すぐに移行できる業務と、習得に時間がかかる業務、運用に関わる業務の3つに棚卸しいただき、委託までの段取りを整えていただきました。

原田
ひとつずつマニュアルをしっかりとつくり込みながら、徐々に受託業務の幅を広げていきました。運用が安定してからは、更なる品質の向上に努め、継続的な改善提案をさせていただいています。これまでにGOOD PLACEから申し上げた改善策のなかでも、印象に残っているものはありますか？

株式会社GOOD PLACE　ソリューションPM部サービスカウンター課課長　原田真友子

今田様
Accessで管理していた営業拠点の賃料支払いデータを、Excel形式へと移行いただいたことが印象に残っています。10年以上前から、当時の担当者がつくり込んだデータベースを使用していましたが、Accessの特性上、修正とメンテナンスが難しく、ブラックボックス化してしまっていました。Excelで管理できるようになったことで、大幅な時間短縮・業務のスリム化につながっています。

ひとりの担当者が長く業務に携わっていると、そのやり方が当たり前になってしまい、新しい発想がなかなか出にくくなってしまうので、GOOD PLACEさんからのご提案が新たな気づきを得るきっかけになったと思っています。

原田
GOOD PLACEから改善のためのご提案を差し上げる際には、これまでの支援実績で得られた知見に基づいたアイデアや選択肢をご提示させていただいております。関わっているスタッフもたくさんいますので、偏りのない、俯瞰した意見を提案できるようなチームワークを意識しています。

今田様
それはとてもありがたいですね。GOOD PLACEさんの知見から、さまざまな事例を多面的な視点でご紹介いただけるのは参考になります。いくつか選択肢をご提案いただくことで、こちらが検討できることの幅も広がっています。

原田
GOOD PLACEがこれまで実施させていただいた業務フロー整理のなかでも印象的だったのは、寮社宅業務のマニュアル化でした。テルモ様は企業規模が大きく、多拠点展開されているため、社員のみなさまの背景や家族構成もさまざまで、あらゆるパターンに対応するためのルールの整理が必要でした。手探りではありましたが、改善に向けてひとつずつ検討を進めた次第です。

今田様
弊社内でも、ルールの運用に関して社員が混乱している部分があったので、ルールの整理だけでなく、社員からの問い合わせを減らすための申請書の改修や、社内イントラに掲載するFAQを作成いただいたことで、問い合わせや差し戻しの機会を減らすことができました。社員も大変助かっていると思います。

安定的な運用の継続と改善を実現するために

今田様
GOOD PLACEさんのチームはメンバーに変更があったとしても業務の品質を落とすことなく、すぐにキャッチアップされていることにも驚かされます。弊社内でも、人事異動などによってメンバー変更があった際に仕事の効率やレベル、正確性が落ちないように苦心していますが、GOOD PLACEさんの安定した運用には感心させられます。

原田
10年間ご支援させていただいてきたなかで、メンバーそれぞれのライフプランによる異動や休職、退職がありましたが、品質を落とさないためにも、フォロー体制や引き継ぎ方を進化させてきました。属人化を避け、ひとつの業務に対して大体2、3名が必ず把握している状態を常に維持しています。なかでもマニュアルに関しては、新しいスタッフが入るたびにより伝わりやすいものにブラッシュアップさせており、歩みを止めないようにしております。

今田様
毎月開催される定例会議では、各種業務の想定時間と実稼働時間を把握するための定量的なデータと同時に、どのような改善をされたのかという定性的なデータをご報告いただいています。非常にわかりやすい内容で、さらに改善するための議論につながる分析をしていただいているように感じています。

原田
定量的および定性的なデータは、どちらも業務状況を把握するためでもありますが、わたしたちの自己満足にならないようなデータをお出ししたいと思っており、お客さまにとってどのようなデータがあると役に立つのかという視点を外さないようにしています。定例会議の資料についても、ご意見をいただきながら少しずつブラッシュアップを重ねてきました。

月次レポートを元に報告している、毎月の定例会議の様子

今田様
GOOD PLACEさんの事業のひとつであるオフィス構築事業の方々とも、別拠点のオフィス移転の際におつなぎいただき、大変お世話になりましたが、GOOD PLACEのみなさまに共通する姿勢を感じました。我々の視点に立ったご提案に熱意を持って取り組んでいただき、総務アウトソーシング事業のみなさまとの相乗効果によって、スムーズなコミュニケーションをさせていただいています。

原田
実はお仕事をいただいた際には、「テルモ様から発注いただけた…！」と、社内でものすごく盛り上がったんです。メンバー全員で集合写真を撮り、部内に一斉配信して喜びを共有しました。総務アウトソーシング事業のみならず、GOOD PLACEのオフィス構築事業でもテルモ様とお付き合いさせていただいていることを大変嬉しく思っております。

同じゴールを目指すパートナーとして

今田様
社員によっては、GOOD PLACEのみなさんのことをテルモの社員だと思って相談している場合もあると思いますね。我々が委託していない人事関係の相談を弊社の社員がしてしまった場面もあったそうですが、お話を聞いていただき、人事部まで誘導いただいたとのことで、GOOD PLACEの方に聞けば、なにごとも解決しそうだという安心感を抱いている社員も多いのではないかと感じます。

原田
社内に設けていただいたサービスカウンターでは、直接社員の方々とコミュニケーションさせていただいているので、なるべくお声がけいただきやすいような雰囲気づくりと関係構築に気を配っています。日々直接私たちに感謝の気持ちを伝えてくださるところが、テルモ様の社風だと感じています。

今田様
GOOD PLACEさんからのご提案で、「モアステーション」という名称を付けたこともよかったと思っています。弊社は医療の会社なので、病院のナースステーションのように、「ステーション」という名前にとても親しんでいることもあり、社内に浸透したように思います。

原田
名称に関しては、20案ほどご提示させていただいたなかからお選びいただき、ロゴもGOOD PLACEでつくらせていただきました。このように名前を頂いたのは、GOOD PLACEが総務アウトソーシング事業を始めてからは、最初の機会となりました。社員の方々から気軽にお声がけいただけることも、チームワークを強める要因になっています。

テルモ様は、パートナーとして私たちの意見を聞いてくださっていることにありがたさを感じています。組織改編にともない、グローバル部署と統合された際には、新しい業務をまた委託していただき、GOOD PLACEのスタッフが成長できる挑戦の機会を頂いています。

テルモ様のオフィス内に常駐させていただいているモアステーション

今田様
せっかくのご縁があって一緒に働いているので、メンバーの方々にはモチベーションを上げていただきたいですし、一緒に成長している実感をお持ちいただけるといいなと考えています。

GOOD PLACEさんと我々は、ゴールが一緒だと思うんです。よりよいサービスや効率化を追求するために、なにを見直せばいいのか、その目的意識が一致しているからこそ、お互いに率直に意見をぶつけ合うことができているのだと思います。なにかの相談の度に、答えを一緒に探すためのディスカッションをさせていただいています。

依頼当初の弊社の状況から、事業のグローバル化は進んでおり、もしGOOD PLACEさんに業務を委託していなかったら、現在のようにプランニング業務に集中できるような状態では到底なかっただろうと考えています。今後は総務以外の委託にも徐々に拡大できればと思っており、早速先日、人事部が担当していた一部の業務を依頼させていただきました。これからも関係を継続させていただきながら、サービスの向上につながるお仕事をご一緒できればと考えています。

原田
近年、総務部の枠を超えた業務のご相談をいただくことが増えており、私たちも、さらにお受けできる仕事の領域を広げていきたいと考えています。サービスの開始から10年を迎えましたが、これからも総務アウトソーシングにとどまらないさまざまなご提案を継続させていただきたい気持ちです。今後もGOOD PLACEの知見を活かしながらご支援を継続させていただければと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

（撮影：谷本 裕志　　取材・文：堀合 俊博）

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