「共生細菌」研究からの転身
大学時代は建築とはかなり異なる分野を学んでいて、園芸学部で蛾の研究をしていました。卒業後も引き続き、大学院の研究室で「ボルバキア」という共生細菌の研究をしていました。
私が所属していた研究室では、農薬関連のメーカーへの就職や公務員を目指す方が多いのですが、自分としてはどちらの進路もしっくりこず、就職活動のタイミングで一気に方向転換することにしました。公園や造園関連の会社の面接を受けたり、インターンシップに行ったりするうちにぼんやりと内装や空間づくりの仕事に興味を持つようになり、就職先を探す中で辿り着いたのが当社でした。
入社したいと思った決め手としては、人事との面談の中で、建築やデザイン学部出身以外のメンバーがたくさん働いていることを知ったのが大きかったです。さまざまなバックグラウンドの方を受け入れてくれる風土があるのを感じましたし、「こうじゃなきゃいけない」といった決まりを設けずに、社員のことを信頼している雰囲気があるのは、他の会社との違いだと感じました。
「場」ができあがる瞬間の醍醐味
入社してからはまず、施工管理として1年間経験を積みました。まだまだひよっこではありますが、現場でたくさんのことが分かるようになったのは嬉しかったですね。初めて先輩の現場を見に行った際に、何もなかったところが「場」としてできあがっていく過程にはシンプルに感動しました。表面仕上げによって空間の印象が一気に変わり、造作家具や什器が入ることで場としての完成度がぐっと上がるのが凄いなと。これを目指してつくってきたんだなという実感が湧く瞬間は、この仕事の醍醐味だと思います。
2年目からはソリューションPMを担当することになり、早くクライアントから信頼してもらえる仕事ができるように頑張っています。まだまだソリューションPMとしての着眼点が足りない部分がたくさんありますが、今は先輩に助けてもらいながら、大急ぎで学んでいるところです。
場所と時間を自由に選択できる働き方
当社では、自分にとって働きやすい場所と時間を状況に合わせて選べるので、プロジェクトメンバーがどこで仕事をしているのかに関わらず仕事を進められることが、働きやすさに繋がっていると思います。もちろん対面だからこそできるコミュニケーションは多いですし、オフィスはモニターなど機材環境が整っているので、状況に応じて本社に来て仕事をしています。工事が始まってからの期間は、週3〜4日でクライアントの現場に直行することが多いですね。
「すぐに仕事をはじめたい!」と思うくらい忙しい時期は朝から自宅で仕事をしたり、夜まで現場にいた次の日は、在宅に切り替えたりしています。ソリューションPMになってからは、プロジェクトを通してコミュニケーションを取る人数も増えたので、状況に合わせて連携しやすい働き方を選んでいます。
失敗を学びに変えて
現場では思わぬことが発生しますし、もどかしい気持ちになることも多々ありますが、「これは今の自分にとって必要な経験なんだ」と、プラスに捉えるようにしています。もちろんトラブルが起きた瞬間はパニックになる場面もあるんですけど(笑)、一度は経験してみないと学べないこともあるので、失敗を学びに変えて、次の機会に繋げています。
最近思っているのは、自分の考えに確信が持てないとしても、なんでもすぐに先輩に聞いてしまうのは良くないということですね。ベテランの先輩方が助けてくれる安心感はあるものの、「私はこう思うんですけど、どう思いますか?」と、自分なりの答えを出したうえで聞くようにしないと、経験として自分の中に落とし込むことができないので、これから気をつけていきたいと思っています。
突き詰めた経験が自信につながる
当社の仕事は入社してから学べることばかりなので、建築出身の方じゃなくても安心してほしいと思います。理解するまでに時間はかかるかもしれないですが、きちんと考えれば何かしらの答えに必ず行き着くことができますし、先輩のサポートのもとで「なんとかなる」と感じながら仕事に取り組むことができます。
私の場合、大学院の研究を通して諦めずにトライし続けてきた経験が、現在の仕事にも活きている実感があります。これまで学んできたことが建築とは関係ないとしても、主体的に何かに挑戦した経験は、必ずこの仕事においても自信に繋がると思います。
これからはプロジェクトをうまく推進できるようになることはもちろん、「元木さんがいれば安心」と感じてもらえるようになるのが目標ですね。仕事をしていて楽しいと感じるのは、信頼して任せてもらえる瞬間なので、まだまだ道のりは長いですが頑張りたいと思っています。