空間プロデュースのスケールに惹かれて
もともと建築に興味があったかというと実はそうではなくて、大学では法学部で法律と政治を学んでいました。ただ、そのまま就職するのはなんだかピンとこなくて、何をやりたいのだろうと、就職活動を通して考えるなかで当社に出会いました。入社を決めたのは、空間全体をプロデュースする仕事のスケールの大きさに惹かれたからです。
入社してからは、オフィス構築とインテリア提案の部署で6年間ソリューションPMの経験を積み、その後施工管理に異動しました。ソリューションPMを担当していた頃、建築やインテリアについての専門的な知識がなかったことから、自社の事業や商品について上手く説明できていないのを感じていて、施工管理に異動したのは、一度現場をしっかり学ぶためだったんです。それが意外と面白くて、今ではすっかりのめり込んでいます。
施工管理は「みんなでつくる仕事」
どちらかというと僕は、ひとりで何かするよりも誰かと一緒にする方が好きなタイプで、施工管理の仕事に没頭できたのは、「みんなでつくる仕事」だからだと思います。ソリューションPMは、お客さまとのコミュニケーションを通じて「0」を「1」にしていく仕事で、施工管理は実際にカタチにしていくことで「1」を「10」にしていく。それが自分に合っているんだと思います。社内のプロジェクトメンバーとはもちろん、現場で施工や工事を担当していただく協力会社の方々ともコミュニケーションをとりながら、どうしたらうまくつくれるのかを一緒に考えることに楽しさを感じています。
異動したばかりの1年目はかなり大変でしたね。まずは場数を踏みながら仕事を覚えていき、協力会社の方々に「これってどうやってつくるんですか?」「どうすればもっとよくなります?」などを直接聞きながら、さまざまなことを現場で教えてもらいました。
努力を利益に還元する「コスト管理」へのこだわり
印象的だった案件のひとつに、2020年に担当した築60年ぐらいの延床2000坪以上のオフィスリノベーションプロジェクトがありました。大学の校舎だったこともある大型ビルのフルリノベーションで、関わる人数も多かったですし、大変ではありましたが面白かったですね。一般的なオフィス構築ではあまり躯体に手を加えることはありませんが、壁を取っ払ったり、床のスラブを外して傾斜をつけたりと、建築法規に則りながら大きな変更を加える工事は、まだまだ手探りなリノベーション領域について学べる良い経験になったと思います。
印象的だったもうひとつの仕事は、東京駅直結の超高層オフィスビル内にあるオフィスリニューアルのプロジェクトです。大規模かつ約1年半の長丁場の現場で、無駄のない最適な工期とコストを算出するために、常に頭をフル稼働させていました。自分一人では絶対にできない仕事でしたし、社内のプロジェクトメンバーはもちろん、複数の協力会社の方々と足並みを揃えるためのコミュニケーションを重ね、どうすれば工事をうまく進行できるのか、みんなで考えながら進めることができました。
施工管理としては今年で5年目ですが、もっともこだわっているのはコスト管理の部分だったりします。最近は大規模な案件を担当することも多く、関わる人数が多いプロジェクトでは、工事のプロセスでコスト調整がうまくいかないと、会社として利益を上げることができません。どんなにみんなが良い働きをしたとしても、その頑張りが還元されないことになってしまうので、使用する材料は適切なのか、過剰になっている部分はないかなど、コスト管理に気を配るようにしています。もちろん、「どうしてもここはやりたい」というデザイナーからの声がある場合は、協力会社の皆さんと一緒に予算と工期に収めるつくり方を考えています。
新人でも背伸びができるフォロー体制
僕もそうでしたが、たとえ専門的な知識が最初はなかったとしても、分からないことをきちんと誰かに聞きながら知識を身につけていく力があれば、施工管理の仕事は大丈夫だと思います。当社にはさまざまな得意分野を持つメンバーが数多くいますし、協力会社の方々からアドバイスを求めるなど、積極的なコミュニケーションができれば、きちんと成長できるはず。
現在僕は新人教育を担当していますが、少し背伸びが必要な業務だとしても、なるべく経験してもらうようにしています。規模の大きいプロジェクトの場合、1フロアだけ担当してもらうとしても、数億円規模の仕事になります。新人の頃からそれほどの仕事を担当できる機会はなかなかないですし、自分のこれまでの経験からも、ある程度の仕事を任せてもらえることが成長につながると思います。もちろんその分大変ではありますが、まずは現場に出て、OJTで一つひとつ仕事を覚えていくためのフォロー体制が整っていることは、他にはない当社の魅力ですね。