現場に鍛えられた前職での7年間
当社には2017年の春に、老舗の大手ゼネコンから転職してきました。施工管理として7年間の経験を積み、1日に約150人の職人の方を束ねるような役割を担っていました。
ゼネコンは、何十年やっても一人前になれるかどうか分からないほど厳しい世界で、楽しく仕事をさせてもらっていましたが、常に大きなプレッシャーがついて回りました。でも、今思うとそんな厳しい世界で真面目で実直にやってきたことで成長できたように思います。辛い経験も沢山してきたので、何にも物怖じしない精神力がつきました。
前職で最後に担当した仕事が166戸の20階建マンションだったのですが、7年間で最大規模の物件で、一番キツい現場でした。現場を進行していかないとならないのに、どうやっても調整がつかないことがあり、プレッシャーの中で押し潰されそうになっていました。
そんな僕の様子を察した妻から、当社が施工管理の募集をおこなっていることを教えられ、それが転職を検討するきっかけとなりました。妻の友人が当社で働いていたので、中途採用の情報を教えてくれたようです。でも、最初は全然本気では考えていなかったんですよ。前職の大手ゼネコンには新卒入社でしたし、大学時代の就職活動ではその一社しか受けなかったぐらいなので、元々転職は視野になかったんです。自分の中でブレるのが嫌で、一度決めたからにはやり抜きたい気持ちがありました。
生まれてくる子どものために転職を決意
妻に薦められてからは、それとなく会社案内が机の上に置かれていたり、ホームページを見せられたりして(笑)。確かに家に帰れない日も続いていましたし、家庭との両立が難しいことや、子どもが生まれてくることを考えると、きちんと検討しなくちゃと気持ちに変化がありました。
最終的に面接を受けて転職が決まったのは、最後の現場のマンションが竣工する1か月前のことでした。会社に辞めることを伝えた時は引き留められましたね。それでも、転職の意志は揺らがなかったです。
当社に入社してからは、週末は必ず家族で食卓を囲んで、2人の小さな子どもたちとお風呂に入っています。スマホのホーム画面は子どもの写真ですし、運動会などの行事がある日には他のメンバーに代わってもらうなど、なるべく参加できるように調整しています。
決定権があるからこそ生まれる自由と責任
当社に抱いた最初の印象は「おしゃれすぎる会社」でした。オフィスを見てもホームページを見ても、僕は場違いなんじゃないかなって。若手の施工管理メンバーは安全靴に見えないようなものを選んでいますが、僕はおしゃれに興味はないので、安ければなんでもいいと思っています(笑)。あとは、皆さんはフランクで話しやすく、働いている一人ひとりの表情が明るくて、下を向いている人がいないのも印象的でしたね。
入社したばかりの頃は、工期がとても短いマンションギャラリーを複数同時に担当しました。僕自身初めての経験だったので最初は難しかったです。それでも当社のプロジェクトはある程度工法が限られているので、2〜3物件の経験を積んでからは徐々に慣れていきました。
設計担当と直接話しながらプロジェクトを進められることは、前職と大きく違う点だと思います。ゼネコンの時は一担当者でしたが、ここでは自分に決定権があり、自分なりの工夫ができます。自由と責任のある今の仕事に満足しています。
もっと会社を変えていけるはず
これまで培ってきたノウハウを浸透させるために、若手に向けた『図面の読み方』についての勉強会を開催しています。現場でも、若手の後輩に対しては、それぞれのスキルを合わせてやれるかやれないかのギリギリの仕事を任せるようにしています。細かい事務作業などはこちらでフォローするので、なるべく現場で経験を積んで成長して欲しいですね。
振り返ってみると、当社に入って本当に良かったと思います。今の自分の点数をつけるなら75点ですね。残りの25点は、もっと会社を変えていけるんじゃないかと。従来の建築業界の枠組みではなく、新しいビジネスの方法を考えて進んでいくべきだと思うので、これまでの施工管理経験にすがることなく、さらなるスキルアップを図り、幅広い物件や新しいことに挑戦していきたいと考えています。