株式会社コスモスモアは、2024年1月8日に「株式会社GOOD PLACE」に社名を変更いたしました。 詳細はこちら×

ワークエンゲージメントを高めるオフィス環境とは?効果的なつくり方を解説

ワークエンゲージメントを高めるオフィス設計のイメージ

ワークエンゲージメントとは?高めるためのオフィスのつくり方を紹介

近年、従業員の心身の健康を保ち、会社を成長させるために、ワークエンゲージメントを重視する企業が増えています。
ワークエンゲージメントを高めると、社員のモチベーションや生産性の向上、組織全体のパフォーマンス向上などが期待できるでしょう。ワークエンゲージメントを効果的に高めるには、特に適切なオフィス環境の設計が重要です。心理的安全性や働きがいを感じられる空間づくりが、従業員の前向きな姿勢を後押しするとされています。

本記事では、ワークエンゲージメントの定義や関連する用語、ワークエンゲージメントを高めるメリットについて解説します。ワークエンゲージメントを高めるオフィス環境のつくり方についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

オフィス事例集など、オフィス構築に役立つ資料をご提供しています。
オフィス構築 資料一括ダウンロードはこちら

1. ワークエンゲージメントとは仕事への意欲や充足度のこと

ワークエンゲージメントとは、仕事への意欲や充足度のことです。オランダのユトレヒト大学ウィルマー・B・シャウフェリ(Wilmar B.Schaufeli)の研究によると、仕事に対する「熱意」「没頭」「活力」の3要素で測ることができ、これらが十分にそろっている状態では、積極的に業務に関与し、創意工夫を凝らしながら、周囲と協力して仕事を進められます。

ワークエンゲージメントが高い従業員は、業務や組織の課題を発見し、解決策を考え、取り組むことに努力を惜しみません。その結果、組織の生産性向上、ポジティブな職場環境の形成などに貢献できるのです。

オフィス事例集など、オフィス構築に役立つ資料をご提供しています。
オフィス構築 資料一括ダウンロードはこちら

2. ワークエンゲージメントに関連する用語

ワークエンゲージメントを理解するうえで把握しておくと良いいくつかの用語があります。ワークエンゲージメントとその関連用語は、「活動水準」「仕事への態度・認知」という2つの軸を用いて区別できると考えられています。

ワークエンゲージメント・職務満足感・バーンアウト・ワーカホリズムの関係性を示す図

それぞれの意味とワークエンゲージメントとの違いを知ることで、ワークエンゲージメントをより深く理解できるでしょう。

2-1. ワーカホリズム

ワーカホリズムは、「過度に一生懸命に、強迫的に働く傾向」を指します。活動水準はワークエンゲージメントと同等ですが、仕事への態度・認知はワークエンゲージメントに比べて低い点が特徴です。
仕事に対して熱心に取り組むものの、集中しすぎるあまりほかのことがおろそかになったり、プライベートの時間を犠牲にした結果、健康を損なったりするリスクがあるため注意が必要です。

2-2. 職務満足感

職務満足感は、仕事や職場環境に対する満足度が高い状態を指します。従業員が職場に満足していることは重要ですが、職務満足感が高いからといって、必ずしも仕事に対する熱意や積極性が高いとは限りません。
ワークエンゲージメントは、職場への満足度が高いだけでなく、仕事への熱意や積極性も高水準にあり、その点が職務満足感とは異なります。

2-3. バーンアウト

バーンアウト(燃え尽き症候群)とは、過度な業務負担やストレスの結果、仕事に対する意欲を失ってしまう状態のことです。ワークエンゲージメントとは対極に位置する概念といえるでしょう。
バーンアウトは、仕事に対する適切な支援・裁量・フィードバックなどが不足した際に発生しやすく、精神的・身体的な疲弊を伴います。

オフィス事例集など、オフィス構築に役立つ資料をご提供しています。
オフィス構築 資料一括ダウンロードはこちら

3. ワークエンゲージメントを高める資源

ワークエンゲージメントを向上させるためには、2つの資源が必要であると考えられています。それぞれ詳しく解説しますので、参考にしてください。

3-1. 仕事の資源

仕事の資源は、ワークエンゲージメントを高めるために必要な仕事上の要素です。具体的には、仕事の負担が増えるのをやわらげる「上司のサポート」のほか、仕事への意欲につながる「裁量権の付与」「適切なフィードバック」などがあります。
ワークエンゲージメントを高めるには、職場環境にこうした要素がそろっていることが大切です。

3-2. 個人の資源

個人の資源とは、ワークエンゲージメントを高める個人の内的要因のことです。具体的には、仕事に対する「楽観性」、目標を達成できる能力があることを信じる「自己効力感」などを指します。
これらが高まることで、職場にポジティブな雰囲気が生まれ、ワークエンゲージメントが向上しやすくなると考えられています。

オフィス事例集など、オフィス構築に役立つ資料をご提供しています。
オフィス構築 資料一括ダウンロードはこちら

4. ワークエンゲージメントを高めるメリット

ワークエンゲージメントの向上がもたらす主なメリットは下記の3つです。ワークエンゲージメントを高めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

ワークエンゲージメントを高める3つのメリットと、対策を怠った場合のリスクを示す図

4-1. 生産性向上を期待できる

ワークエンゲージメントを高めると、生産性の向上が期待できます。ワークエンゲージメントが高い従業員は、業務に前向きに取り組むことで業務効率が高まり、チームや職場の雰囲気にも良い影響を与えます。新たなアイディアを生み出すといった、創造的な行動が増える点も期待できるでしょう。結果として、会社の業績アップなどにもつながります。

4-2. 離職率が下がる

仕事に対する満足感が向上し、従業員のモチベーションが持続しやすくなることも、ワークエンゲージメントを高めるメリットです。仕事に前向きに取り組む姿勢は、周囲にも良い影響を与え、従業員の定着率向上にもつながります。
また、それが文化として職場に定着すれば外部の印象も良くなり、採用活動などにもプラスに働くでしょう。

4-3. 顧客の満足度が上がる

ワークエンゲージメントを高めると、顧客満足度も上がります。ワークエンゲージメントが高い従業員は、仕事に対する責任感が強いため、質の高い顧客対応を実践します。
商品・サービスの提案力、コミュニケーションの質なども自ずと向上し、結果として、多くの顧客に満足してもらえることになるのです。

オフィス事例集など、オフィス構築に役立つ資料をご提供しています。
オフィス構築 資料一括ダウンロードはこちら

5. ワークエンゲージメントを高めないとどうなる?

ワークエンゲージメント向上への意識が不足していると、組織内でいくつかの課題が見られるようになります。具体的に生じる悪影響は、下記のとおりです。

5-1. ストレスが大きくなる

ワークエンゲージメントを高めず、低い状態のままにすると、従業員のストレスが大きくなります。活動水準や仕事への積極性が低いと、当然ながら仕事へのやりがいも感じられません。その結果、バーンアウトに陥る可能性があります。
また、無理をしてがんばると、ワーカホリックになってしまうリスクもあるため注意が必要です。

5-2. パフォーマンスが低下する

ワークエンゲージメントを高めないと、パフォーマンスの低下につながります。ワークエンゲージメントが低いままだと、仕事への意欲がわいてきません。その結果、仕事の質はもちろん、業務効率も上がらないままになりがちです。

5-3. 人的ミスやトラブルが増える

ワークエンゲージメントを高めないと、人的ミスやトラブルの増加につながるでしょう。ワークエンゲージメントが低い従業員は、精神的に余裕がなく、ケアレスミスを起こしやすくなります。また、従業員同士のコミュニケーションも悪化しやすい傾向があります。

こうした状態が続くと、職場の雰囲気や従業員同士の関係も徐々に変化し、結果として離職率の上昇につながることがあるため、早めに対策を検討するのがおすすめです。

オフィス事例集など、オフィス構築に役立つ資料をご提供しています。
オフィス構築 資料一括ダウンロードはこちら

6. ワークエンゲージメントを高めるオフィス環境のつくり方

続いては、ワークエンゲージメントを高めるオフィス環境のつくり方について解説します。ワークエンゲージメントを向上させたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 ワークエンゲージメントを高めるための、集中スペースと交流スペースの分離、コミュニケーションを促すレイアウトを示した図

6-1. 集中できるスペースと交流しやすいスペースを分ける

ワークエンゲージメントを高めるオフィス環境をつくるには、集中できるスペースと、従業員同士が交流しやすいスペースを分けることをおすすめします。

仕事への積極性を高めるには、業務の特性に応じたゾーニングが重要です。オフィスを、会議室エリア、業務に集中するエリア、コミュニケーションやリフレッシュをするためのエリアなどに分けることで、生産性や従業員満足度の向上につながります。

6-2. コミュニケーションを促進するレイアウトにする

コミュニケーションを促進するレイアウトにすることも、ワークエンゲージメントを高めるオフィス環境づくりにおいて重要です。
「パーティションを撤去する」「コミュニケーションが生まれやすい動線にする」といった工夫を通じてチームワークを促進すると、業務の円滑化につながり、ワークエンゲージメントの向上が図れます。

また、オープンスペースを配置して部署間の交流が自然と生まれるようにする、フリーアドレスを導入するといった施策も効果的です。情報共有がスムーズになり、業務の効率化やイノベーション創出も図れるでしょう。

ワークエンゲージメントを高めるうえで欠かせない「オフィスコミュニケーション」について、具体的な設計アイデアや活性化のヒントを知りたい方は、こちらのコラムも参考になります。
オフィスコミュニケーションの重要性と活性化のヒント

実際のオフィス構築事例をまとめた資料を無料でご覧いただけます。
オフィス事例集ダウンロード

7. ワークエンゲージメントを高めるためのポイント

ワークエンゲージメントを高めるには物理的なオフィス環境の整備だけでなく、組織文化や制度面からのアプローチも重要です。

ワークエンゲージメント向上に向けた組織文化と制度のポイントをまとめた図

7-1. 従業員同士のディスカッションの機会をつくる

日常業務とは別に、仕事に関する悩みや課題について自由に議論できる場を設けると、従業員のエンゲージメント向上につながります。
ブレインストーミングや社内勉強会など、部署や職層を越え、オープンな雰囲気の中で自由な意見交換ができるディスカッションの機会を定期的に設けると、従業員間の心理的安全性が高まります。チームの一体感も高まり、ワークエンゲージメントの向上につながるでしょう。

7-2. 仕事への姿勢にフォーカスしたプログラムを導入する

仕事への姿勢にフォーカスしたプログラムを導入することも、ワークエンゲージメントを高めるためのポイントです。ワークエンゲージメントの向上につながる研修プログラムは、下記のようなものがあります。

<ワークエンゲージメントの向上につながる研修プログラム>
・ジョブ・クラフティング:従業員がみずから業務の進め方や役割を調整し、仕事に対する意味、やりがいを再構築するプログラム
・CREWプログラム:従業員同士が相互理解を育み、お互いに敬意を持った関係を築くことを目指し、働きやすい職場をつくるプログラム
・360度評価:一人の従業員を、上司だけでなくさまざまな関係の従業員が評価する評価手法

7-3. 定期的なアンケートで従業員の意見を収集し、施策に反映する

ワークエンゲージメントを高めるには、定期的にアンケートを実施して従業員の意見を収集し、各種施策に反映するのもおすすめです。

例えば、定期的なエンゲージメント調査などを実施すると、仕事や会社に対する従業員の本音を集めることができ、社内環境を改善するアクションプランを検討できます。
ただし、収集した声については適切にフィードバックをして、アクションプランは確実に実行に移すことが、従業員の信頼を得るうえで大切です。

オフィス事例集など、オフィス構築に役立つ資料をご提供しています。
オフィス構築 資料一括ダウンロードはこちら

8. ワークエンゲージメントを意識したオフィスづくりを実践しよう

ワークエンゲージメントとは、仕事への意欲や充足度のことです。ワークエンゲージメントを高めると、生産性の向上、離職率の低下、職場の活性化など、多くのメリットが得られます。
そのためには、集中するスペースと交流スペースを分ける、社内コミュニケーションを促進するレイアウトにするといった、オフィス環境づくりの工夫が必要です。

また、従業員同士のディスカッションの機会をつくったり、仕事への姿勢にフォーカスしたプログラムを導入したり、定期的なアンケートで集めた従業員の声を社内施策に反映したりすると効果的です。
ワークエンゲージメントを意識したオフィスづくりを実践し、従業員の働きやすさと満足度の向上につなげていきましょう。

オフィス事例集など、オフィス構築に役立つ資料をご提供しています。
オフィス構築 資料一括ダウンロードはこちら

ワークエンゲージメントを高めるには、どのようなオフィス環境が効果的ですか?
集中できる空間と、自然に会話が生まれる交流スペースのバランスが重要です。加えて、部署間の情報共有を促す動線設計や、心理的安全性を高めるレイアウトも有効です。フリーアドレスやオープンスペースの活用も、エンゲージメント向上に寄与します。

RELATED ARTICLES関連記事

make a good place