- クライアント
- 関電不動産開発株式会社
- ご相談背景
- デザインコンペに参加し、事業主の考える関電不動産京都ビルの姿を体現するようなデザインである点を評価いただき受注が決まった。
- コンセプト
- 歴史を未来につなぐ
ビル周辺の再開発などで築古ビルが淘汰されていくなか、今後も継続運用するオフィスビルのバリューアップと事業主のビルブランドを体現する空間が少ないことが課題であった。既存の建物や関わり深い人物の歴史をリスペクトしながら今ある素材空間を最大限に引き出すことで、オフィスビル入居者や来訪者、地域住民などさまざまな人たちが歴史の魅力に触れながら快適に過ごせる場を目指した。
- 提案内容
- 築40年の関電不動産京都ビル(旧:新京都センタービル)の長期運用とバリューアップを目的とした、エントランス・外構の改修プロジェクト。
周辺エリアや近隣ビルの調査を行い、地域特性やビルに求められる要素、費用対効果を整理しながらデザインを進めていった。
ビル建設時に彫刻家・清水九兵衛氏によって製作された敷地内のモニュメントや隣接したビルを設計した「関西近代建築の父」と称される武田五一氏など、建物にゆかりのある2⼈のデザイン⼿法や思想をデザイン各所に取り入れることで、建物の個性を際⽴たせ競合ビルとの差別化を図っている。
また、今後長い年月使い続けることを考慮し、使用している素材はタイル、レンガ、石など経年劣化が少ないものを選定した。
エントランス
建設当時からエントランスを飾る壁床のトラバーチン(大理石)は新たに磨き上げ、経年による価値を活かしながら重厚感・高級感を継承。天井は、武⽥五一氏のデザイン⼿法を取り⼊れた装飾天井を再構築し、トラバーチンに見合う気品あるレトロラグジュアリーな空間を演出している。
外構
ビル利用者や地域の⼈たちが気軽に使える街のオアシスを目指した外構・アプローチエリア。流線的な動線と点在するベンチ、透過性のある壁、中高木などを組み合わせ人の視線の抜けを作ることで、居心地の良い空間を構成。
夜間はライトアップされた植栽の影が外壁に浮かび、都市の中に森(オアシス)が出来上がるイメージを陰影により表現している。
- プロジェクト
メンバー
- 伏見 啓希 / 岩本 和士 / 泉 悠平 / 堀井 敏彦
- 実施内容
- 設計 施工 PM
- 規模
- 約212坪
- 立地
- 京都府京都市
- 竣工
- 2024年11月
- 撮影
- Keiko Chiba (Nacasa & Partners)