株式会社コスモスモアは、2024年1月8日に「株式会社GOOD PLACE」に社名を変更いたしました。 詳細はこちら×

【インタビュー付き】株式会社TBSテレビ JNN Park!

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エントランスから入った様子。視線を遮る壁を設けず、背の低い置き型の発光サインを設置。
公園のように開かれた明るい空間を演出した。

中央のコミュニケーションスペースは、飲食やちょっとした作業などクイックに活躍。
床の素材を人が通るエリアとコミュニケーションを取るエリアとで張り分け、公園のようなアクティビティを感じさせる仕掛けをつくった。

ハイカウンターをエントランス脇に配置。モバイルバッテリーや電子レンジ、自動販売機なども近くにあるため、
自然と人が集まりコミュニケーションが生まれやすい場所となっている。
白い壁面はすさ入りのクロスを採用。日本の伝統的な工法である左官壁を意識した風合いにすることで、
日本の文化や日本古来の素材の魅力を感じられる環境づくりを目指した。

JNN各社の従業員がシーンに応じて自由に利用できるテーブル席とボックス席。
テーブルの側面には無垢材を巻くことで長持ちする仕様となっている。
グレーの壁面はポスター掲載スペースとなっており、手掛けた番組の魅力を発信できる場としても機能。

中央のコミュニケーションスペース。各支社室の居住性を高めるため、日本地図や方角と対応させながら窓面に配置。
外光や通気性を確保し、快適に働けるようにした。
また、支社室に沿うように共同で利用できるテーブルやカウンター、集中ブースなどを横長にレイアウトした。

支社室。JNN各社と打ち合わせを行い、
それぞれのニーズや課題を反映したレイアウトとなっている。

クライアントのもとで活躍するグラフィックデザイナーに協力いただき、入口サインを制作。
モチーフはJNN各社より募集した地域の名物や名産品となっている。
また、共用エリアに面したガラスをグラテーションのくもりガラスにしたことで、
機密情報を守りながらもお互いの気配が感じることができる。

各会議室は、日本の5つの世界自然遺産をモチーフにカラーとグラフィックパネルをセレクトしている。
会議室「知床」ではクールなブルーを基調とし、壁面には知床の流氷のグラフィックパネルを配した。

各会議室は、日本の5つの世界自然遺産をモチーフにカラーとグラフィックパネルをセレクトしている。

まっすぐに伸びるコミュニケーションエリアは奥まで見渡せるようなっており、
名前の通り「公園」のような開けた空間となっている。

集中ブース。木目調のナチュラルな雰囲気のなかに植栽を配置することで、
リラックスしながらも集中して働けるようになっている。

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TBS系列の11社が集い、ともに働く新しいワークプレイスを構築

東京・赤坂に本社を構える株式会社TBSテレビ様。同社は全国28社からなる民放テレビ局ネットワーク「JNN」のキー局であり、日本の各地を本拠地とする系列局とも連携しながら業務をおこなっています。その系列局28社のうち、青森から沖縄まで11社の東京支社が集う新オフィス「JNN Park!」の開設が決まり、GOOD PLACEがオフィス構築を担当。
株式会社TBSテレビ様の「系列局同士が交流を深められる場に」という想いに加え、実際に入居する11社からの要望も汲み取ってオフィスを具現化しました。「キー局が先頭に立ち、系列局が集結するオフィスをつくる」という試みはテレビ業界でも先駆けとなるもの。どのようにプロジェクトを進めていったのか、株式会社TBSテレビ メディア戦略局の筧 哲一様に伺いました。

聞き手:株式会社GOOD PLACE ソリューションPM部 大塚 咲穂、ストラテジックデザイン部 森脇 大登
取材・文:古田 朱美

まずは11社それぞれの意見をヒアリングし、各社が納得できる方向性を模索

GOOD PLACE 大塚(以下、大塚)
2024年3月末にご連絡をいただき、コンペに参加させていただくことになりました。
どのような経緯でGOOD PLACEにお声がけくださったのでしょうか。

株式会社TBSテレビ 筧様(以下、筧様)
最初は「TBSの系列局が集まるオフィスをつくろう」というフワッとした計画だけがあったのですが、我々はメディアの会社なので、どのようにオフィスを構築していけばよいか未知の状態でした。
そこで、以前オフィスの移転を経験している方にアドバイスをもらったところ、「プロジェクトマネージャーが必要らしい」ということがわかり、ネット検索をしてGOOD PLACEさんを見つけたのがきっかけです。他にも2社にお声がけさせていただきました。

大塚
3社の中からGOOD PLACEを選ばれた決め手は何だったのでしょうか。

筧様
3社それぞれとお会いしてみて、そのなかでGOOD PLACEさんが一番若くフレッシュなチームだったというのが大きいですね。もちろん直接年齢を聞いたわけではなく、雰囲気で判断したわけですが(笑)。
今回のオフィスにはJNN系列の11社が入居することになったのですが、オフィスに関する決定権を持っているのは各社の東京支社長でした。11名の支社長は50代の方が中心で、いずれも各社のなかでは経営層として大きな影響力を持つ方々が多いので、もしもプロジェクトマネージャーが同年代だった場合、何か意見された時に「いやいや、俺はこう考える」と、つい反発したくなるんじゃないかと思ったんですよね。僕自身も50代半ばなので、気持ちはわかるつもりです(笑)。
なので逆に、若い年齢層のプロから意見していただいたほうが素直に聞けて、我々の持っている固定概念をアップデートしてもらえるんじゃないかなと思いました。

 

大塚
なるほど、そういう側面もあったのですね(笑)。
コンペの提案内容では、どんな部分をご評価いただきましたか。

筧様
プレゼンいただいた内容が、新しさもありつつ、尖りすぎていなかった点が好感触でしたね。
一番若いチームだけど、我々にも寄り添っていただけそう、かつ、僕らの古い考えは覆してくれそうだな、という期待感があったような気がします。

 

GOOD PLACE 森脇(以下、森脇)
コンペで採択いただき、プロジェクトマネジメントに加えて設計・施工もお任せいただけることになりました。プロジェクトのスタート当初、我々にどんなことをご期待いただいていましたか。

筧様
とにかく「意識改革」をお願いしたいと思っていました。今までのオフィスしか知らない人たちが「新しいオフィスをつくるぞ」と意気込んでも、結局、人間は自分たちの知っているものしかつくりだせない。放っておくと昔ながらのオフィスになってしまうなと危惧していたので。

大塚
意識改革の一環として、プロジェクト初期に家具メーカーのショールームやオフィスの見学にも行きましたね。筧様をはじめJNN各社の方々にご参加いただき、見学ツアーのような形で4回ほど開催しました。
個人の固定席を設けず、自由に席を選べるフリーアドレス型のオフィスもあり、みなさまに最新の働き方を見ていただく機会になったかと思います。

筧様
オフィス見学では、個室は唯一ガラス張りの会長室だけで、あとはすべてフリーアドレス、という会社もありましたよね。それを目の当たりにして、我々のオフィスにもフリーアドレスを取り入れたいと思いました。せっかく11社が集まるんだから、みんなで情報共有しながら働ける場所にしたかったですし。
ただ、我々の場合はちょっと特殊で、JNNネットワークという繋がりはあるものの、別の会社同士がひとつのオフィスに集まることになる、という難しさがありました。大企業のようなピラミッド型ではなく、11社が11通りの意思や働き方のルールを持っており、なかにはフリーアドレスを取り入れるのは難しいとする会社もありましたから。

大塚
TBSテレビ様のやりたいことと、各支社様それぞれの意向のすり合わせには苦心しましたよね。支社様側からは、プライバシーが守れる個室を希望される声も多くいただきました。

筧様
方向性を調整するべく、定例ミーティングを頻繁におこないましたよね。
毎週月曜日は僕を含むプロジェクトメンバー3名とGOOD PLACEさんで集まり、毎週水曜日には支社長4名から成る幹事団も交えて話し合いをしましたね。さらに、月に1度は11名の支社長の方たちともミーティングをおこないました。

 

大塚
そうでしたね、懐かしいです。
定例会で支社長様方とお話しをさせていただく際、GOOD PLACEとしては「みなさまのご意見を汲んだオフィスをつくる」というスタンスを常に心掛けていました。
たとえば、フリーアドレスなど新しい取り組みに慎重な支社長様がいらっしゃったら、こちらから「やったほうがいいですよ」と一方的に押し付けるのではなく、各支社の若手社員の方を巻き込んでマインドチェンジのきっかけをつくるようにしました。
若手の方々とワークショップをおこなって「どんな働き方がしたいですか?」とヒアリングし、その結果を支社長のみなさまに共有することで、「若手のみなさんはこう思っていらっしゃるようなので、オフィスにこういう機能を取り入れてみませんか」という形で提案させていただきました。

森脇
プロジェクトを進めるにあたっては、「各支社のみなさまに寄り添ってご意見を汲む」というスタンスに加え、ヒアリング結果などの「データを提示する」というアプローチも大切にしましたよね。

 

共用スペースを設けたことで、支社間のコミュニケーションが大きく活性化

筧様
各社のオフィスに対する意向はそれぞれあったため、大塚さんや森脇さんたちはまとめていくのが本当に大変だったと思います。当初は約1,000㎡のフロアに対して、各支社長が接客に活用できる30㎡くらいの応接室を11個用意し、残りの700㎡弱はすべて支社間の垣根のない共有のフリーアドレスにする、というプランを立ててもらいましたね。各支社の承諾を得るのは難しいだろうな、とは予想していましたが、振り切った案として提案してもらって。

森脇
そうでしたね。そこからスタートして、調整をおこないながら毎週2~3案、提案させていただきました。

筧様
支社共有でのフリーアドレスの実現は難しかったものの、最終的には11社分の支社室を設け、残りを共用スペースにするということで落ち着きました。

森脇
全体のレイアウトはいろいろと検討した結果、外周をぐるりと囲む窓を活かして窓際に11社の支社室を並べ、その支社室に面する形で共用スペースを設けることに決まりましたね。

写真左側に並ぶのが各社の支社室。一歩外に出ると共用スペースが広がる 写真:Kudo Original Photo

 

筧様
支社室の並び順は、日本列島の地図になぞらえて入口右手から北の青森、福島……、左手に南の沖縄がくるように配置してほしいとお願いさせていただきました。

森脇
「日本列島の順に」というのは直感的に場所がわかりやすくて便利ですし、そのルールがあったおかげで設計もやりやすかったです。もし並び順が決まっていなかったら、スペースに応じてパズルのように収めていたと思いますが、それだと「この支社室のスペースを増やしてほしい」といった変更があるたびに入れ替えが必要になってしまうので。

筧様
支社によってスタッフの人数が6~13名程度と違いがあり、支社室に求める広さもまちまちでしたよね。要望に見合うスペースを確保する必要があり、設計を担当してくださった森脇さんは苦労されたと思います。

森脇
いえいえ。
支社室を日本列島の順に並べたこともそうですが、今回、日本各地の支社が一堂に会するということで、オフィス全体のコンセプトが「ニッポンの魅力の発信基地」でしたね。
空間のデザインにあたっては、日本の自然にインスパイアされた色や日本古来の素材を随所に使うなど、日本らしさの表現にこだわりました。

共用スペースの一角。奥の白い壁面は、日本の伝統工法である「左官」を意識した風合いになっている 写真:Kudo Original Photo

 

大塚
各支社室の入口にも、テレビ山梨なら桃、琉球放送ならシーサーといったように、地域の名物や名産品をあしらったサインを設置しましたよね。
その支社室ですが、室内のレイアウトについては事前に各支社様とお打ち合わせをおこない、いただいたご要望を反映させていただきましたが、実際の使い勝手に対する反応はいかがですか。

 

筧様
デスクの配置なども含めてみなさん満足されているようで、引き渡した状態からそのまま使っている支社が多いですね。それに、各支社室にはそれぞれ大きな窓があって明るいので、快適に働けているようです。

大塚
それを聞いて安心しました。
みなさんやはり、普段はそれぞれの支社室の中でお仕事をされていることが多いですか。

支社室の一例。どの支社室にも窓があり、明るさと通気性を兼ね備えている 写真:Kudo Original Photo

 

筧様
はい、そうですね。
支社室内は固定席の会社も多いですが、フリーアドレスを採用している会社も数社あります。プロジェクトを通じてフリーアドレスへの理解を深め、賛同してもらえたからだと思います。

大塚
それはうれしいですね。
各支社室の前に広がる共用スペースについてはいかがでしょう。みなさん活用されていらっしゃる様子ですか。

自然と人が集まり、コミュニケーションが生まれる共用スペース 写真:Kudo Original Photo

 

筧様
はい、他社の方同士が雑談をしている姿もよく見かけます。共用スペースがなかったら、こういう交流は生まれなかったかもしれません。同じフロア内とはいえ、いきなりよその会社の支社室を訪ねたら「何か用事ありましたっけ?」となるから、なかなか他社の部屋には入りづらい。でも、共用スペースではそういう心理的な壁がないので、各局の若手からベテランまで自然にコミュニケーションを取ることができています。
朝会えば「おはよう」と言葉を交わすのは当たり前だし、雑談ついでにちょっとした仕事の情報交換などもしているようです。

大塚
共用スペースには丸テーブル席やボックス席もありますが、ここでランチなどをする方もいらっしゃるのでしょうか。

ランチやPC作業、クライアントとのミーティングなど、さまざまなシーンに対応するテーブル席&ボックス席 写真:Kudo Original Photo

 

筧様
ビル周辺にフードトラックなどお弁当屋さんがたくさんあるので、外に食べに行かない人はお弁当を買ってきて共用スペースでランチをしています。特にファミレス風のボックス席が人気で、みんなで和気あいあいと楽しそうに食事をしていますよ。
このボックス席ではPC作業をする人も多いです。囲まれている感じが落ち着くんでしょうね。共用スペースにはポータブルバッテリーを常備しているので、長時間の作業でも安心です。配線が見えると空間の美しさが損なわれるので、ポータブル式にして正解でした。

森脇
ポータブルバッテリーは災害時にも役立ちますしね。

 

筧様
あと、共用スペースにはたくさんの席があるので、打ち合わせのために来訪された方のちょっとした居場所にもなっています。共用の会議室も5部屋ありますが、軽いミーティングならそのままオープンな共用スペースでおこなうことが多いですね。

森脇
まさに想定した通りの使い方をしてくださっているようで、よかったです。
共用スペースは「JNN Park!」の名前からイメージを膨らませ、公園のように開かれた明るい雰囲気を目指しました。みなさんが気軽に集える場となってうれしいです。

 

オフィス集約の効果は絶大。内部的にはもちろんクライアントにもメリットが

大塚
今回、JNN各社様のオフィスを「JNN Park!」としてひとつに集約したことで、ビジネス面ではどんなメリットがありましたか。

筧様
まず、支社同士の打ち合わせが非常におこないやすくなりました。JNN各社は日頃から、番組の共同制作することも多いんです。たとえば、東北の5局が共同制作して東北地区でオンエアする番組があったり、高知と愛媛だけでオンエアする番組もあったりします。
そうすると、支社同士が集まってどんな内容にするか、スポンサーをどうするかといった打ち合わせを頻繁におこなうので、拠点が同じだと圧倒的にやりやすいんですよね。このオフィスに入っていない支社もありますが、ここに集まってもらえば一気に会議ができますし。
それに、同じ場所にいると、たとえば「東北の局が共同制作したラーメン企画の視聴率がよかったらしい」といった情報も入りやすくなり、それを聞いた他局が「じゃあうちのエリアでも共同でラーメン企画をやってみようか」となったりする。そういうシナジー効果もあると思います。

大塚
それは大きなメリットといえますね。

 

筧様
クライアントにとっても、JNN各社が集約されていることはメリットだと思います。たとえば、あるクライアントが全国的なキャンペーンをやることになり、JNN各社の担当者に直接会って内容を説明したいとなった場合、これまでは東京のあちこちに点在するオフィスを訪ね、名刺交換をして、話をして、また電車に乗って移動して……ということを20数カ所やらなければなりませんでした。
でも「JNN Park!」ができたことで11社と一度に会えるようになり、クライアント的にも業務効率がよくなったのではないかと思います。
実はこのようなオフィス集約は、テレビ業界では先駆け的なことなんです。将来的にはJNNの東京支社すべてが集まるオフィスをつくれたらいいですね(笑)。

機密性の高い打ち合わせに対応した会議室も完備。デザインのテーマは、知床や白神山地など日本にある世界自然遺産 写真:Kudo Original Photo

 

実際に使用して気づいた視点を活かし、ポジティブなアップデートを構想中

大塚
2025年3月にオフィスが竣工して約5カ月が経ちました。実際にお使いいただき、おおむねご満足いただけているようでほっとしましたが、今後改良を望まれる点などはありますでしょうか。

筧様
集中ブースをレイアウト変更して、コミュニケーションをより活発化できるような場所にしていけたらと思っています。たとえば、昼間はコーヒースタンド、夜はバーカウンターになるようなスペースにするのもおもしろいかもしれません。
現状、共用スペースが縦にまっすぐズドンと抜けていて、その抜け感が気に入っているので、それは活かす方向でうまく考えていきたいですね。

まっすぐに伸びる共用スペースがオフィス全体に抜け感を生み出している 写真:Kudo Original Photo

 

大塚
それ、いいですね!すごく魅力的だと思います。

筧様
今、各支社室には冷蔵庫があって、終業時間になると冷やしておいたビールを出して一杯やってから帰る人もいるので、共用スペースにバーカウンターをつくったら活用する人は多いかもしれません。支社同士の新たな交流のきっかけにもなりそうですよね。

大塚
ぜひ検討していきましょう!
それでは最後に、今回GOOD PLACEにオフィス構築をお任せいただいた中で、ご意見やご感想があればお聞かせいただけますか。

筧様
まずもってGOOD PLACEさんには感謝しかないです。冒頭から言っているように、11名の東京支社長の方々は、東京という売上規模の大きなエリアを担う重責のある立場にある方たちなので、求める基準も厳しいです。そんな11名を相手に、根気よくお付き合いいただけたことには感謝しかありません。大変だったと思いますが、本当に辛抱強くプロジェクトを進めてくださいました。
それに、GOOD PLACEさんが間に入って調整いただいたことで、僕自身も本当に助かりました。レイアウトや仕様を決めていく中で意見が分かれた時など、GOOD PLACEさんにヘルプいただいたことも多々ありましたよね。
たとえば、会議室や支社室のくもりガラスについて「透けないよう濃くしてほしい」などの意見も出ましたが、GOOD PLACEさんからプロの意見として「こちらが最適ですよ」と言ってもらうことで「じゃあそれでいきましょうか」とすんなり賛同を得ることができました。
これは推測ですが、まったく異なる業界のプロ、さらに年齢層も違うからこそ、お互いによい関係性が築けたのかなと思います。

会議室や支社室は通路側をくもりガラスにすることで、機密性を高めつつ周囲とのつながり感もキープ 写真:Kudo Original Photo

 

大塚
ありがとうございます。お役に立ててよかったです。
今回、デザイン面ではこちらから一方的にご提案するというより、御社側のデザイナーさんと協業しながらつくりあげた部分もあり、我々にとっても新たなチャレンジで大変勉強になりました。
今後もさまざまなご支援・ご提案をさせていただければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

クライアント
株式会社TBSテレビ
プロジェクト
株式会社TBSテレビ JNN Park!
ご相談背景
株式会社TBSテレビ様より、TBSおよび全国のテレビ局ネットワークであるJNNに所属する民放テレビ局の東京支社が集結するオフィスをつくりたいとご相談いただいた。目的はJNN各社の交流が深まり、さまざまなコミュニケーションをきっかけに仕事が広がり、事業が生まれる場所を実現すること。前提として各支社に適した広さを確保しつつ、多様なビジネスシーンに対応できる環境が求められていた。
コンセプト
日本の魅力の発信基地 -Japan's Charm Broadcast-
日本全国からあらゆるニュースを集めて発信しているJNNの民放テレビ局。青森から沖縄まで各地の民放が東京に集結するさまと、山々、森林、川、海、温泉などの豊かな自然や、人々が生み出した文化とが日本列島で多様に栄えている様子を重ね合わせ、レイアウトやマテリアル、グラフィックを計画。
オフィスを舞台にJNN各支社の交流を促し、自然と文化、そして人と人とが交差する、新たなワークプレイスのあり方を体現する空間となることを目指す。
提案内容
●全体
各支社室の居住性を高めるため、日本地図や方角と対応させながら窓面に配置。外光や通気性を確保し、快適に働けるようにした。また、支社室に沿うように共同で利用できるテーブルやカウンター、集中ブースなどを横長にレイアウトした。
来訪者や従業員へ「日本の魅力」を視覚的に分かりやすく伝えるため、日本各地の名物や名産品を着想源としたサインと、世界自然遺産からインスピレーションを得たカラースキームを展開。マテリアルは日本古来の素材や再生素材を採用することで、日本人が抱く自然へのリスペクトを表現している。

●エントランス
視線を奥へと導くように背の低い置き型のサインを設置。公園のように明るく開かれた空間を演出した。

●各支社室
サインのグラフィックはJNN各社からアイデアを募り、地域の名物や名産品をモチーフにデザインした。ここで働く人々に参画いただくことで新しいオフィスへの愛着を高めながら、日本の魅力を分かりやすく表現している。

●コミュニケーションエリア
すべてのJNN社が自由に利用できる共用エリア。ハイカウンター、丸テーブル、ボックス席、集中ブース席など、さまざまな目的や人数に応じた滞在が可能となっており、交流を生み出すきっかけをつくる。
プロジェクト
メンバー
篠崎 雪子 / 森脇 大登 / 北田 知子 / 溝江 勇次 / 陳 媛 / 竹中 勇太 / 大塚 咲穂 / 土田 綾子
用途
オフィス
実施内容
設計 施工 PM
規模
301.65坪
立地
東京都港区
竣工
2025年3月
撮影
Kudo Original Photo

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