スペースのコンセプトは「厨(くりや)」。厨房をあらわすとともに、「箱」という意味も持つことから、ガラスの箱が浮いているようにも見える、ステージのような特別な空間をつくった。さらに天井裏と床下の間接照明を入れ、やわらかい光の演出をほどこした。奥に向かって2室の会議室が続いており、この会議室に面した通路の壁面にはエスビー食品様らしさが伝わるグラフィックを取り入れ、訪れる方の目を楽しませている。
会議室や廊下の床にはモルタルを用いて、清潔感がありながら経年の味わいも楽しめる仕様とした。大きなガラス面を通して、外光が柔らかく入る。
会議室の中は、訪れた方に自宅のようにリラックスして過ごしていただけるよう、木をふんだんに用いた家具や内装を取り入れた。突板オーク材の木目が美しいオリジナルのビッグテーブル、使うほどに味わい深くなるYチェア、精緻な編み目のラタン面材が目に楽しいキャビネットなど、特にお客様の手に触れる部分には天然素材をもちいた。またキッチンカウンターの下部には古紙やコーヒー豆かすなどを再生したリサイクルボードを使用するなど、環境にも配慮した素材選定。
キッチン側から見た会議室。キッチンカウンター上部には天吊り式の飾り棚を設け、食の空間を盛り上げるキッチン用品をちりばめた。誰かの自宅に招かれたような気分にも感じられる工夫をこらしている。
エスビー食品様のS&Bの語源であるSunとBirdを二つの会議室名として採用し、それぞれのアイコンを取り入れたサインを設置した。素材はステンレスの切文字とし、清潔感のある空間のイメージに合わせている。またガラス面には四角のモチーフがあしらわれたデザインシートを貼ることで程よくプライバシーを確保するとともに、コンセプトの「厨」から来る、箱のイメージともリンクさせた。